第4回「キルンアートオンライン講座と私」

ポセナビさんのコラムを拝見していますと『起業家になる』と言った部分に重点が置かれているようですね。もちろん私もサロン主催者。レッスン料も頂戴していますので起業家です。
ただ 少し皆さんと違うと思うのは、集客や収益に重点をおいて毎日レッスンをするサロンでは無い事でしょうか。
確りと学びたい、作品を作り上げたい方の為のサロンそれが私の教室です。

そもそも好きなことが自然と仕事になってしまった私ですから、今ももっと自分の技術をレベルアップしたいと思っています。
レッスンをしている時間は、とても楽しく大好きです。
ですが、レッスンの事だけを考えて自分自身の【レベルのアップ】や【自分らしい作品を作り出す】 その時間が取れなくなってしまうのは嫌です。
何方かの作品の真似や受講して来た作品そのままを教える教室にはなりたくない、その思いがとても強く、教室を始めた当初より『オリジナル作品』でレッスンを続けて来ました。

長い間オリジナル作品作りを心掛けて来た事で 今では教室開催中に生徒さんの目の前でそれぞれの素材に合わせ、生徒さんのお好みを考えながら新しいデザインをご提案できるようになりました。
『自分らしく、自分の好きを形にした教室』だからこそ長い間教室を続けて来られたように思います。
そして教室主宰者で有ると同時に『作品の作り手で在りたい』これも今も変わらぬ思いでいます。

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そんな私が素敵な機会を頂戴したのが、日本ヴォーグ社さんより配信されたキルンアートオンライン講座です。
「転写紙と上絵の具を使う作品に仕上げる」
「インストラクターの方々が動画を見ながら、少し頑張って頂ければ作れる作品である」
この2点を本部よりご指示頂き、後は自由に制作させて頂きました。
自由に自分らしさを表現できる場を、仕事としてご依頼頂けたのはとても嬉しい事です。とは言え喜んでばかりいられません。
実際の作業となると、撮影の為の作品は工程ごとに準備します。
撮影当日に進められる作業は少しですので、前もって色々な段階の作品を準備しなければなりません。一つの作品の撮影に8枚プレートを用意した物もありました。少なくとも焼成回数分は準備します。私は同じ物を何個も作るのが、どうも苦手なようです。同じ作業の繰り返しは、かなり苦痛でした。

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そして、撮影当日です。
普段教室では生徒さんの目の前でデモをしながら、解らないところは何度も色々な方法で繰り返しお伝えしてご理解頂いていますが、動画配信では一つの動画を見て聞いて「どなたもが同じように理解できる」「動画を見ながら指示通りに作れば同じ物が作れる」それが基本です。

自分では確りと説明しながら作業しているつもりでも、撮影した物を確認してみると「言葉が足りなかったり、表現が曖昧であったり」と正確に伝えられておらず、何度も同じ場面を繰り返し撮影する事になりました。
また、ポーセラーツで使用する 用具や溶剤の名称を正確に言葉にするのが難しくてNGが続いてしまい 担当者さんに 「先生、テロップ入れますね~。」とフォローして頂く事も多数ありました。

講座の配信は既に終了してしまいましたが、この講座を担当させて頂いた事は指導者としての私に多くの物を残してくれました。
ポーセラーツ初心者の方から愛好者の皆様、そしてインストラクターの皆様に向けて、それぞれのご要望に何時でも解り易く答えられる教室。
そんな教室である為に、これからも頑張って行きたいと思っています。


■コラム執筆者のプロフィール

神奈川・鎌倉市でポーセラーツサロン「鎌倉山 Natural Tone」を主宰。
チャイナペイント、白磁ペイント、トールペイントの資格も取れる教室として、転写紙と上絵の具両方の技術をしっかりと学べるサロン。
生徒様ご自身の「自分らしく」「ご自身の好きを大切に」個性を伸ばす事に拘りながら 技術と知識、そして他のマネではない作品が出来上がるようご指導している。
日本橋生まれの気さくな江戸っ子気質のまま、「何度でも解らない事は尋ねられる」「時間を気にせず作品を作れる定額制」のレッスンを開催している。

2007年 ポーセラーツコンクール優秀賞 ・ ペイントクラフト賞 技術賞
2008年 ペイントクラフト賞 NVサンアート賞
2009年 ポーセラーツコンクール 手描き部門 大賞
2013年 キルンアートコンクール 転写紙部門佳作・手描き部門NVサンアート賞  他数受賞
白磁ペイントカリキュラム委員本部講師 、 キルンアートオンライン講座担当 など 日本ヴォーグ社テキスト、カタログ等掲載作品多数
2016年 大倉陶園 チャイナペインティングスクール卒業

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