ここ近年自宅で開業する女性が急増しています。
自宅開業する方々は「サロネーゼ」と呼ばれ、自分の特技やスキルを活かして活躍しています。
自宅サロン開業は、結婚や出産で仕事がら離れてしまった女性が、 自分のスキルを活かして働くことができる。女性の働き方の一つのモデルともいえます。
サロネーゼの成功者は様々なメディアに取り上げられ、 サロン経営の枠を超えた活躍を続けています。
自宅開業が増えたのは、そのハードルが下がったからだといわれています。
その一つに、急速なSNSの発達があるといわれています。
広告や集客をSNSを通して以前と比べて簡単に行うことが出来るようになりました。
もう一つの理由として、自宅開業できる資格が増えたことも上げられます。
自分の特技を生かして、自分らしい働き方ができる……
好きを仕事にできる理想のような自宅サロン。成功した方は、多くのメディアに取り上げられたり、さらに広い世界に羽ばたいたりと サクセスストーリが多く存在しています。
一見華やかな世界ですが、自宅サロンはいいところばかりではありません。
収入、集客、その悩みはつきないようです。サロネーゼ達は試行錯誤しながら、より良い自宅サロンを目指して日々邁進しています。
自宅開業ならではのメリット、デメリットがあります。それは表裏一体になっているように、付いて回るものばかり。
今回はそんな自宅サロンの実態を覗いてみたいと思います。
目次
メリット
休みを自由に選択できる
自分の都合で働けるという点はお子さんのいる主婦の方にはメリット大です。子供の下校前に仕事を終わらせたり、行事の時に休むこともできます。
旅行に行くので予め、長期で休みを取っておくこともできます。自分のライフスタイルに合わせて働くことが出来るのはメリットですね。
年齢や前職に関係ない
自宅で自分で開業するのですから、年齢や前の職業は関係ありません! 自分の特技で稼ぐことができるのですから、定年もありませんね。
自分の腕次第で、サロンを事業にしていくこともできます。
自分の特技が仕事になる
一昔前は「好きを仕事に」なんてなかなかできませんでした。でも今は自宅サロンを開くことで、少ない資金で自分の特技を仕事にすることができるように なりました。
開業の経費が最小限
テナントを借りずに開業できることで、物件取得費や、運営費を抑えて開業することができます。部屋の改装にも制限がありませんので、自分の好きなデザインに改装することができます。また、通勤に時間が取られないというのもメリットですよね。
デメリット
安定した収入確保が難しい
5年で95%が廃業しているという数字もある自宅開業。開業したばかりの頃は厳しい状態が続くのが実情です。すぐにお客さんや生徒さんが つくとも限りません。実際の所事業が軌道に乗るまでには時間がかかります。開業前にかけていた資格取得の費用を回収できるのは少し後となるのが現状です。
また、つい先日までは生徒さんだった人が、近所でサロンを開いてライバルに…… なんていうことも結構起こります。そうなると、狭い世界の中で生徒さんの取り合いに発展する事態になってしまったり。
サロンの競争に負けないために、生徒さんのおもてなしをしている所も多いです。高級なお菓子やお茶でのおもてなしの出費で赤字になってしまうことも。
理想を追いすぎて……
理想のサロンにするために内装や、家具に気合を入れ、様々な道具を取り入れて、 その結果赤字になってしまった…… そんな話しも実際にあります。
やはり、軌道に乗るまでは、何が起こるかわかりません。こだわりを持つのは大事なことですが、 初めのうちは何事も金銭面と相談して、計画を持った方がよいですね。
友だち関係が悪化?!
友だちを通した集客に頼ると人間関係が悪くなってしまいかねません。集客を頑張ろうと、ママ友やご近所さんに声を掛け過ぎて、その後トラブルになってしまったということも……
噂が噂を呼び、サロンの名前が汚れてしまうことも……
また自宅サロンで人間関係などにトラブルが発生すると、家族を巻き込んでしまう恐れもあります。集客はサロン経営で一番大切な所ですが、ママ友やご近所さんに頼りすぎるのは要注意です!
セキュリティの面の不安
生徒さんやお客さんを呼んだ後に貴金属や現金がなくなった?! そんなことが起こると疑心暗鬼になってしまいますよね。サロンで使っている部屋以外の自宅のセキュリティにも気を掛けなくてはなりません。
仕事とプライベートのメリハリがつかない
ずっと仕事場にいるという感覚は、オンとオフの切り替えがつけづらく、 ストレスがたまりますよね。
また、生活感を出すと、生徒さんやお客さんの気持ちが一気に冷めてしまうので、 玄関や廊下にも生活感を出さないようにしているサロンが多いです。匂いの強い食べ物を作らないようにしている経営者さんもいらっしゃいます。
自宅サロンは稼げるの?
そもそも論として自宅サロンは稼げるのでしょうか?
その答えは『イエス』です。
ここ近年、自宅サロンが多くできたことで世の中にはライバルがひしめきあっている状態です。狭い業界ですと、パイの食い合いになっている所もあります。
それでも、経営が軌道に乗っている方の中には、想像以上に稼いでいる方がいらっしゃいます。
その反面、なかなか結果が出ない……
そんな悩みを抱える経営者がいるのも事実。
開業するからには「稼ぎたい」「成功したい」そう思っている経営者の方がほとんどだと思います。どのような工夫をすれば、サロンを軌道に乗せられるようになるのでしょうか。
ここでは、自宅サロンで稼ぐ秘訣を少しだけ紹介していきたいと思います。
自宅という意識を持たない!
今まで生活してきた自宅で開業。となると、プライベートな部分を捨てきれない方も多くいらっしゃいます。でも、やはり自宅サロンとはいっても、事業であることには違いありません。
普通のテナントを借りて、サロンを経営する感覚を持ってください。
テナントを借りると、テナント料・改装費・交通費……様々な経費が掛かるようになり、 経営者感覚が身につき、ものの見方がシビアになっていきます。
自宅サロンでも、同じように、光熱費や広告費なども経費として考えて、 経営者マインドを育ててください。趣味の延長のような感覚で続けると、延びていきません。
また、経営者として、生徒さんやお客様に提供することは、 技術・サービス・空間の3つです。
技術とサービスが伴っていても、空間が今一つだと、生徒さんやお客様は、 サロンの価値を見出しはくれず、リピーターになってくれません。
「この価格で価値はないな」 そう思わせてはいけないのです。
やはり、自宅サロンとはいっても、雰囲気のある空間づくりが大切です!
売り上げを設定する
目標を設定することで、自分が目指すところが決まります。根拠はなくても構いませんので、○○万円は稼ぎたい!という目標を設定してください。そこを目指して邁進していくことで、目標に近づくことができますよ!
集客方法はできるだけ多く!
自宅サロン急増の原因の一つに、広告が簡単に打てることになったことが上げられています。
インターネットの発展によって、個人が様々な方法で情報を発信できるようになりました。当たり前のことですが、生徒さんやお客様が来なければ売り上げは上がりません!
広告を無視して、サロン経営はできません。
多くの方を集客するために、出来るだけ多くの媒体を使ってあなたのサロンを世の中に広めてくださいね。
方法としては、チラシやタウン情報誌に載せるという昔ながらのやり方から、 ホームページやブログの作成、FacebookやTwitterやInstagramなどのSNS、 インターネット上に広告を載せることもできます。
集客のためには知名度を広げるところからです。SNSはほとんどが無料で始めることができますので、是非活用してくださいね。
もちろん有料のものほどその効果も上がります。余裕がありました、自分のコレだとお思いの媒体を選んでみてください。
また、お客様を通した紹介制度の導入も集客には大いに役立ちます。お客様も、経営者の人となりをみてから、納得したうえで、次の方を紹介してくださいますので、 サロンの価値も上がっていきますよ。
お友達価格は作らない
「友達なんだから安くしてよ」 なんて言われて、悩んでいる。
「いつもお世話になってるから割引価格でいいよ」 お友達にはそうしようかなと迷っている。
そんな風にお思いの方…… ちょっと待ってください!
お友達価格は作らない方が懸命です。
知り合いなら割引してくれるという情報が回りまわって、ほとんどの人に割引をしている…… そんな話しもあるくらいです。お友達の線引きが難しく、後々自分の首を絞めることになってしまいかねません。
自宅サロンだからって、自分の価値を下げてはいけません! プロとしてサービスや技術を提供すればいいのです。自信を持って正規の価格で対応してください!
個人情報は可能な限り公開する
セキュリティの面から、サロンや教室の住所を非公開にされている方が多くいます。連絡をくださった方のみに住所をお教えするという方法です。セキュリティの面では安全かもしれませんが、残念ながらこのやり方では集客に繋がりません。
お客様目線で考えると、あらかじめ住所のわからない所には行こうとは思わないからです。住所がわかってはじめて、ここなら行けそうだと判断されることが多いのです。
まず電話連絡をして場所を確認しなければいけない。これではお客様としてはハードルがかなり上がってしまいます。
ご家族のことを考えて非公開にされているという事情もわかりますが、 やはり住所は公開された方が集客力アップに繋がりますよ。
ブランディングする
サロンをブランディングしていくことも重要です。サロンの得意なこと、魅力、どんなメニューがあるかをわかりやすく説明できることが大切です。サロンの名前とサロンの特徴を繋げることができたら、ブランディングの成功です。
そして、ターゲットを明確にしていくことで、集客がしやすくなっていきます。
サロンの強みや魅力を前面に出した、特別なメニューなどを考え出して、 他のサロンとの差別化を計ることも! ライバルの不在な特別メニューを作り出せれば、業界で一つ先を進んでいることになりますよ。
まとめ
自宅サロン経営は、自分がプロデューサーになって、全てをプロデュースするようなもの。大変な面も多いですが、成功すれば、サロネーゼの枠を飛び越えてその先の道に羽ばたくことのできる可能性の大きい世界なのですね。