ポーセラーツ電気炉の人気No.1は?自分にピッタリの窯を見つけよう!


どんな電気炉が私に合っているの……?
ポーセラーツを始めてしばらくすると、どうしても気になりだすのは電気炉のこと。インストラクターコースを受講している方はもちろん、フリーコースで作品作りをのんびりと楽しまれている方も、一度は「自宅に窯があったらいいのになぁ!」と思ったことがあるのではないでしょうか。

ポーセラーツ作業風景イメージ写真

インストラクターとしてサロン開業をお考えの方にとっては、電気炉を持っているかどうかでライセンスの種類が異なることもあり、電気炉を購入するかどうかという嬉しい悩みは、必ず直面する問題です。

そして、いざ購入しようと思っても、電気炉は大きさも価格も様々。
そこで今回は、電気炉選びで迷ったときに役に立つチェックポイントも交えながら、人気の電気炉をご紹介します♪

電気炉(窯)選びのポイント

皆さんが初めて目にする電気炉は、習っているお教室やサロンの先生がお持ちの窯であることがほとんどでしょう。先生に焼成をお願いし、次回サロンに行ってみると……自分の作った作品がキレイに焼けている!誰にとっても嬉しい瞬間です。

先生がお使いの電気炉。「同じものが欲しい!」とお感じの方が多いのはあたりまえのこと。でも、購入前に必ず、よーく考えて欲しいポイントがいくつかあるのです

使用状況をシミュレーションしましょう!

あなたの夢は何でしょう?
あなたは何のために電気炉を手元に置きたいのでしょう?

サロンを開業して多くの生徒さんに資格取得してほしいのか、趣味を長く楽しみたいのか。それぞれの目的によって選ぶべき電気炉は異なりますよね。
ですから、自分が電気炉を使って何をしたいのかをはっきりさせ、具体的にシミュレーションすることが大切です。

何を作りたいですか?

家庭用の電気炉で焼けるクラフトというのは意外とたくさんの種類があります。
まずはポーセラーツやポーセリンペイント(上絵付け)、ガラスフュージングやシルバークレイなどがあります。さらに、窯の焼成温度の範囲によってはレースドールや陶芸といったクラフトもご家庭で焼成することが出来るのです。

この先、どんな作品を作りたいのでしょう。

小物やアクセサリー?高さのある花瓶やドール?それによって電気炉の庫内サイズや最高温度を選ぶといいですね

どこに置きたいですか?

家庭用電気炉でポーセラーツの焼成をするとき、皆さんが気にされるのは臭いと温度。
約800℃という温度で焼かれた転写紙や絵の具の成分が熱で飛ぶため、焼成中は薬品のようなニオイが発生し、室内温度も上昇。換気のしやすい室内やベランダで、作業出来るようにしたいですね。
また電気炉の電源には延長コードの使用はNG。近くに電気コンセントが必要です。

ちなみに、ベランダに置く場合、雨の当たる場所で焼成することは避けましょう。使っていない時に雨よけのできるカバーは販売されているので、その点は心配しなくても大丈夫です。

電気炉カバーの参考写真

少しづつ焼きたい派?まとめて沢山焼きたい派?

小さい電気炉より大きな電気炉の方が何でも焼けそうに見えますが、入れるものが少ししかないのに大きな電気炉を使うのはもったいないですよね。一度の焼成にかかる電気代も、小型の窯の方がリーズナブルです。
ちょこちょこと一日に何度か焼きたい!という場合は特に、窯内部にセラミックを使用した小型の電気炉なら焼成時間が短くて済みます

作品を一度に沢山焼きたい場合や、大きな作品を焼きたい場合には、庫内の広い電気炉でなくては焼けません。さらに窯内部の素材にレンガを使ったものがおすすめです。焼成時間は長めにかかりますが、その分安定した温度できれいに仕上がりますよ

電気炉の違い。見比べるべきはココ!

焼成温度

家庭用電気炉はその最高温度によって、最高温度900~1,050℃の「上絵付け用電気炉」と、最高温度1,250~1,300℃の「高温焼成用電気炉」の2種類に分けられます。
使用用途によって必要な最高温度が変わってきますので、ご自分の作りたい作品の焼成温度を確認しておきましょう。

1,300℃ 約1,200℃前後 陶芸
約1,200℃~1,250℃ イングレーズ(磁器)
約1,200℃ レースドール(素焼き)
約1,050~1,150℃ イングレーズ(ボーンチャイナ)
約1,000 レースドール(釉焼き)
900℃ 約600~850℃ シルバークレイ(純銀粘土)
ポーセリンペインティング
白磁ペイント
約750~820℃ ポーセラーツ
約650~780℃ ガラス工芸(フュージングなど)
ガラス絵付け
500℃ 約570~600℃ ガラス転写

家庭用電源が使えるかどうか

家庭用電気炉の電源方式は2種類。
家庭用コンセントをそのまま使用できるタイプがほとんどですが、大型のタイプでは200V電源の工事が必要な電気炉もありますのでご確認を。もちろん手軽で便利なのは家庭用電源が使えるタイプですね。

扉の開き方

電気炉の扉の開き方には、前開きタイプ上開きタイプとがあります。
前開きタイプの最大のメリットは、中が見やすいため、初心者でも複数の作品を並べての窯詰めが簡単なところ。また、台の上など高い位置に設置しても使えますね。
上開きタイプのメリットは、床面に直接窯を置いたとき、かがまずに作業できるということです。また、扉が手前に開かない分、奥行きの少ないスペースには設置しやすいですね。焼きムラが起こりにくいとも言われています。

どこに設置してどんなふうに使うのか、扉を開けて作品を出し入れするとき近場に棚などはあるのか、体がどこかにぶつかったりしないかなどなど。しっかり確認しましょう。

焼成時間

一回の焼成にかかる時間を左右するのは、電気炉の大きさ窯内部の素材

当然、コンパクトな窯は温度上昇も下降も短時間で済み、広い庫内にたくさんの作品を詰め込めば焼成時間は長くなります。

また、窯内部の素材(炉材)に熱伝導の良いセラミックファイバーを使用したタイプと、保温性の高いレンガを使用したタイプとでは、セラミックファイバーの方が焼成時間は短め。
レンガタイプは大型になりがちで本体重量も重めですが、その保温性の良さから、艶良く仕上がると評判です。

人気の6機種を一挙にご紹介!

ここまでに見てきた電気炉選びのポイントを踏まえて、ここでは最高温度別(使用用途別)に、人気の電気炉を見てみましょう!

ポーセラーツや絵付けに適した「上絵付用の電気炉」4種

ペインターズキルンmini

なんといってもコンパクトさが魅力。移動も簡単。アクセサリーや小物に最適です。短時間で焼成可能!

ペインターズキルンミニの外観写真

価格 定価120,000円(外税)
電源方式 家庭用電源(電源コード長約230cm)
外形サイズ(cm) 43×43×高さ48
庫内サイズ(cm) 20×20×高さ15(容量約6L)
重量 23.5kg
最高温度 1,050℃
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約1.5時間/
約7時間
一回焼成の電気代 約40円
炉材 セラミックファイバー+耐火耐熱レンガ
扉の開き方 前扉式

ペインターズキルンSV

前扉式で初心者でも窯詰め作業が楽にこなせる!安全ロック機能付きの扉で安心。350cmの電源コードで設置もしやすい♪

ペインターズキルンSVの外観写真

価格 定価270,000円(外税)
電源方式 家庭用電源(電源コード長約350cm)
外形サイズ(cm) 53×52×高さ56
庫内サイズ(cm) 30×31×高さ21(容量約19.5L)
重量 33.5kg
最高温度 950℃
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約2.5時間/
約11時間
一回焼成の電気代 約65円
炉材 セラミックファイバー+耐火耐熱レンガ
扉の開き方 前扉式

彩火

簡単操作のマイコン式が人気の秘訣!オートロック機能で焼成中は扉が開かず安全です。転倒センサーで万一の場合には電源を遮断。

彩火の外観写真

価格 定価350,000円(外税)
電源方式 家庭用電源(電源コード長約250cm)
外形サイズ(cm) 65×56×高さ54
庫内サイズ(cm) 32×32×高さ30(容量約30.7L)
重量 51kg
最高温度 900℃
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約4時間/
約19時間
一回焼成の電気代 約116円
炉材 セラミックファイバー
扉の開き方 前扉式

アートキルンSV-1ホワイト

日本ヴォーグ社で人気No.1!キャスター付きで移動も楽々。熱ムラが少ない上扉式。冷却ファン内蔵で外壁が熱くなりにくい♪

アートキルンSV1の外観写真

価格 定価348,000円(外税)
電源方式 家庭用電源(電源コード長約350cm)
外形サイズ(cm) 66.5×65×高さ60
庫内サイズ(cm) 直径38×高さ30(容量約36L)
重量 63kg
最高温度 900℃
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約5.5時間/
約21時間
一回焼成の電気代 約122円
炉材 耐火耐熱レンガ+特殊炉熱材+断熱ボード
扉の開き方 上扉式

ポーセラーツはもちろん陶芸も「高温焼成用の電気炉」2種

マイティキルン

家庭用電源方式なのに最高温度は1,250℃!熱ムラの少ない上扉式で自慢の陶芸作品も美しく♪もちろん冷却ファン&キャスター付きで設置も安心。

マイティキルンの外観写真

価格 定価370,000円(外税)
電源方式 家庭用電源(電源コード長約350cm)
外形サイズ(cm) 53×67×高さ67
庫内サイズ(cm) 直径30×高さ30(容量約21L)
重量 58kg
最高温度 1,250℃
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約4時間/
約20時間
一回焼成の電気代 約120円
焼成時間~1,200℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約10時間/
約25時間
一回焼成の電気代 約302円
炉材 セラミックファイバー
扉の開き方 前扉式

アートキルンSV2

専用電源を使って高電圧で焼成。自作プログラムを20種類も設定できちゃう本格派。冷却ファンやキャスターはもちろん、上扉にはガスダンパーの支え棒がついて楽々開閉!

アートキルンSV2の外観写真

価格 定価420,000円(外税)
電源方式 200V電源、要工事(電源コード長約350cm)
外形サイズ(cm) 70×70×高さ75
庫内サイズ(cm) 直径38×高さ42(容量約51L)
重量 85kg
最高温度 1,350℃
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約3時間/
約23時間
一回焼成の電気代 約302円
焼成時間~800℃まで(ねらし時間含む)/
作品が取り出せるまで(40℃前後)
約9時間/
約27時間
一回焼成の電気代 約906円
炉材 耐火耐熱レンガ+特殊炉熱材+断熱ボード
扉の開き方 上扉式

お試しレンタル電気炉って?

先生のところで使ったことのある電気炉なら、その仕上がりにも安心感がありますが、一度も使ったことのない電気炉を購入するのは勇気がいるもの。特に、炉の構造によって焼き上がりに違いがあるのなら、それを体験してみたいという気持ちになりますよね。

そんなとき役に立つのが、日本ヴォーグ社の焼成請負サービスです。

東京都中野区にある「Studio KILN ART」では、焼成請負サービスを行っているのですが、その中に、電気炉をまるごと1台使用できるサービスがあるのです。
電気炉の機種による仕上がりの違いを、ご自身の目で確かめてみるのもいいかもしれませんね。

注意事項など詳しくはこちらのページからどうぞ。

悔いのない電気炉選びに必要なこととは?

それはずばり、自分自身にとって一番大事なポイントを見極めること!

電気炉の使い勝手は、その人その人の持っている夢や、想定される使い方によって大きく変わるものです。
先生のアドバイスや周りの方の感想は参考にしながらも、ご自身で細かいところまで確かめて、きちんと納得してから購入に踏み切りたいものですね。

日本ヴォーグ社の「Kiln Art」が発行している電気炉カタログには、主要機種の図面も掲載されていて、蓋を開けた時に必要なスペースも分かりやすくなっていますので、ご覧になってみてはいかがでしょう。

電気炉カタログの表紙写真

画像出典:日本ヴォーグ社「Kiln Art」カタログより