きらびやかな美しさに魅了される!コラレン風ビーズ盛り


数多くの素敵なテクニックがあるポーセラーツ。
その中でもコラレン風ビーズ盛りはきらびやかで美しく、見るものを魅了します。
大輪の花にふさわしいそのテクニックは、美しさに美しさを重ねることで華やかで豪奢な仕上がりに……。

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今回はキラキラ輝くビーズと金彩が彩る精巧で華やかなテクニック、コラレン風ビーズ盛りを詳しくご紹介いたします。
コラレンって何?といった誰もが思う疑問から、どのようなテクニックを使って作成していくか、コラレン風ビーズ盛りにピッタリのオススメ白磁などなど……コラレン風ビーズ盛りを深く掘り下げてまいります♪

コラレンとは

コラレンは明治期末に突然現れた陶器の装飾テクニック。
1908年に日本で特許申請され名古屋を中心に制作されていました。
オールドノリタケと同時期の明治期から大正期頃に作成され、その大多数がアメリカに輸出され、一般の日本人の目に触れる機会はほとんどありませんでした。

コラレンは「珊瑚のような」という意味をもつ「coralene」が由来で、ビーズで装飾されている部分の肌触りが珊瑚に似ているため、「コラレン」と名付けられたといわれています。
作成方法は、上絵の具を塗った磁器にガラスビーズでデザインを貼り付け、さらに金彩で囲んで仕上げます。
ビーズに加え、ポーセラーツでおなじみの盛り、金彩、ラスター彩などの多彩なテクニックで作られる精緻な作品は、多くの人々を虜にし、高値で取引されるほど人気を集めていました。

コラレン技法を使った作品では特に花瓶が有名です。大振りなデザインなほどビーズによる光彩が引き立ち、豪華な存在感を放ちます。

コラレンの特徴って?

コラレン技法の一番の特徴はビーズを使用すること。
白瑠璃と言われる透明ガラスを極少のビーズにし、そのビーズを絵付けの上に載せてグラデーションをかけていきます。焼成することでビーズが白磁にくっつくのですが、この焼成加減も難しいことで有名でした。
出来上がった作品は、光の加減によってガラスビーズの色が変化し、浮き上がったように見えるため、1つの作品でも趣が変わるおもしろさが人気となっていました。
複雑ゆえに失敗作が多く、難易度が高く繊細な装飾テクニックのため、残念なことに極少数のものしか現存していません。

アメリカで人気を集めたコラレンですが、アール・デコやラスターウェアなどの廉価なアイテムが流行するにつれ、いつのまにか姿を消していったそうです。

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現在では、その魅力に取り憑かれたコレクターも存在し、アメリカから里帰りしたコラレン作品が高値で取引されています。
また、博物館での特別展などで展示されることもしばしば。優美な美しさと技術力の高さから美術的な価値も高まっています。

コラレン作品集も発売され、複雑で手の込んだテクニックが織り上げる優美な作品の魅力が再認識され始めています。

コラレン風ビーズ盛り

そのコラレン技法を現在に蘇らせたのがポーセラーツのコラレン風ビーズ盛りです。

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コラレン風ビーズ盛りは、中上級者向けの難易度が高めのテクニック
さまざまな技法を使って作成していきますので、1つの作品作りで総合的にテクニックを磨くことができます。

このテクニックの素晴らしいところは、何といっても高い芸術性を持つ複雑な技法のコラレンを簡易的に再現できるところ♪可能な限りコラレンに近づけたテクニックで、精巧で美しい作品を作り上げることができます。

コラレン風ビーズ盛りのやり方

コラレン風ビーズ盛りのテクニックには段階があります。ワンファイヤーで仕上げることはできません。

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まず、白磁に下絵を写し、上絵の具で着色します。続いてビーズを絵柄に施し、金彩で周りを縁取ります。

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こちらはビーズ盛りを施す前の状態。これだけでも十分な仕上がりに見えますが、ビーズ盛りをすることで、透明感と輝きをプラスした華やかな大作へと仕上がります。

焼成回数は3~4回
手間がかかっただけ美しい仕上がりになるのでしょうね。

レベルアップできるテクニックが満載♪

さまざまなテクニックを利用して作成するコラレン風ビーズ盛りは、作品作りを通してテクニックの再確認ができますので、レベルアップにぴったりです。
一体どんなことが学べるのでしょうか?

上絵具のテクニックで下地ベースを作ろう

下地となるベースは自由度が高く、ラスターを使ったり、グラデーションをかけたり、絵の具の色のつけ方の勉強になります。
スポンジングを使って簡単に絵を描く方法や、マットなつや消しの質感を出すやり方など、裏ワザ的なテクニックを学ぶチャンスです♪

さまざまな盛り

さまざまな盛り剤や金盛りの勉強ができます。レイズドペーストエナメル、透明盛り、金下盛り、レリーフパウダーなどなど。きれいなラインに盛る方法や金彩の修正方法など、他の作品にも使えるテクニック満載です。

美しさの決め手!ビーズ装飾

コラレン風ビーズ盛りの一番の魅力、ガラスビーズ装飾方法についてを一から学ぶことができます。

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ガラスビーズの定着の仕方や美しいグラデーションの作り方など、美しい仕上がりになるコツを学びましょう。

修正の仕方や焼成温度

ガラスビーズは焼成温度によってガラスがくっついたり、ひび割れて剥離したりします。ですので、電気炉の温度設定がとても大切!電気炉の自作プログラムを作成される先生もいるほどです。

電気炉の種類のよって炉の材質が違い、 温度の上がり方に特徴がありますので、電気炉の勉強にもなりますよ。

コラレン風ビーズ盛りで作られた作品

コラレン風ビーズ盛りのテクニックは、かなり手数の必要な手の込んだものですので、小さなアイテムがおススメです。

小ぶりで作りやすく、使い勝手の良さから蓋つきのケースは特に人気。

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ボンボニエールのようなかわいいフォルムの蓋つきの器。桜がビーズと金彩で装飾され美しく輝いています。蓋と本体の絵柄が続いていて一枚の絵のようですね。

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間近で見るとガラスビーズならではの繊細な輝きがわかりますね。光の加減によって表情が変化しますので、1日を通して楽しむことができそうです。

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しだれ落ちるたおやかな藤の花。
花弁や葉が小さく、細やかさが必要とされる藤の花……作品から製作者のテクニックの高さがうかがえます。

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こちらは金彩を加えないで仕上げた作品。
パステルの淡いアジサイがキラキラと美しいです。金彩がなくても変わらず華やか。作品のテイストによって使い分けてもよさそうですね。

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お重はコラレン風ビーズ盛りで人気の白磁の一つ。
お重の出番はお正月や節句などの華やかなイベントが多く、きらびやかなビーズ盛りとの相性も良いですよね。
コラレン風ビーズ盛りのお重でお祝いしましょう♪

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タイルアートの装飾にもぴったり。
小さなお花なら気軽に作成できそうですよね。

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こちらはグラスパールを使ったお花。金糸とビーズ刺しゅうのような可憐な仕上がりです。

他には小さな時期にコラレン風ビーズ盛りを施したペンダントなど、その輝きからアクセサリーのアイテムにもぴったりです。

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複雑で難しいコラレンを簡単に制作できるコラレン風ビーズ盛り。
キラキラと輝くビーズが気分を華やかに、お部屋を明るくしてくれそうです。
手順は必要になりますが、手がかかっただけ美しい仕上がりになりますので、ぜひ作ってくださいね♪