みなさま、ごきげんよう!
アトリエシュガーミルの柴山です。
前回は、簡単な自己紹介と転写紙の基本構造についての説明をさせていただきました。
今や大人気のポーセラーツ・ポーセリンアートですから、日本ヴォーグ社から発売されているもの以外にも、数えきれないほどの転写紙が手に入るようになりました。
お気に入りの転写紙をワンポイントで貼るだけでもオンリーワンの食器づくりが楽しめます。
単色転写紙を味わいつくす♪
話はいきなり飛びますが、色相環というものをご存知ですか?赤が北の方向から始まり、時計回りに黄色、緑、青、紫、ピンクと続いてまた赤に戻ります。写真は、12色のものを載せましたが、もちろん色は無限につながっています。
色を組み合わせる時、リングの近い場所にある色を使うと統一感が出ます。
反対に、遠いところの色同士を組み合わせるとコントラストの強い派手なイメージになります。
これは、色相環を知らなくても、きっと皆さま自然にやっていることだと思います。
また近い色同士の組み合わせでも、明度を変えることで強弱がつけられます。
明度が高い=(白っぽい)
明度が低い=(黒っぽい)
ですので、明度の差が小さければ均一な印象を、差が大きければコントラストの強い印象になります。これを利用してインパクトを与えたいものとそうでないものを区別すると構成が面白くなってきます。
この例は、また次回ご紹介します。
さら単色転写紙は、重ね貼りをすることで色のバリエーションが増えますので、それだけでも十分に楽しめます。違う色を重ねるときには、どちらを上にするかによっても焼成後の色が違いますから、無限に色を作り出すこともできるのです。
インストラクターコースのマグカップなどはまさに【単色転写紙が主役】になる作品作りです。
単色転写紙での立体表現は、とても良い勉強になりますので、シュガーミルでもインストラクターを目指すかたにお勧めしています。作ってみたい柄を見つけて白黒でコピーしてみると、どこを重ねたらよいのかが見えてきますよ。
また、単色転写紙は絵の具と違って、均一な色を簡単にのせることができるので、色々な作品のベースとして使うこともできます。金盛りの下色や、全面貼りを利用して色釉を使ったかのように見せるのも面白い効果を生みます。
お写真の金盛り作品は、10年ほど前にギリス人の金盛り職人の方に教えていただいて制作したものです。黒の単色転写紙を貼ってから金下盛り、金彩をしています。実は、まだポーセラーツを知らなかった私が、初めて転写紙を使った作品でもあります。
この金盛りの作品は、イギリスらしくボーンチャイナを使っていますが、転写紙は白磁の影響も受けます。
普段お使いの白磁は、主にポーセリン、ボーンチャイナ、セラミックなどだと思いますが、同じ転写紙を貼っても白磁によって、焼成後の色が違ってきます。そのことも理解したうえで選んでいきましょう。
次回は、ポーセラーツ・ポーセリンアートの醍醐味でもある、分解・再構成の楽しみ方についてお話しさせていただきます。お楽しみに。