みなさま、ごきげんよう!
アトリエシュガーミルの柴山です。
コラムの執筆も早くも3回目。
今回は、柄転写紙の楽しみ方についてです。
柄転写紙の楽しみ方
柄転写紙の分解・再構成は、ポーセリンアートの醍醐味でもありますよね。
私もいろいろな転写紙を組み合わせて、本当にたくさんの作品を作ってきました。ポーセラーツを始めたころは、まさに、寝ても覚めも……という感じで、制作していました。
さらには手描きの絵付けも組み合わせたのがこの扇です。扇だけで10種類近い転写紙を使ったと思います。羽根突きの羽根の部分が手描きです。
転写紙を分解再構成する際に気を付けているのは、前回もお話しした色の彩度や明度です。
彩度は色の鮮やかさのことです。
混じりけのない色は彩度が高く、ハッとするような強い印象を与えます。低いと色味がなく白黒に近くなっていきます。また、明度の高い色は、明るく白っぽく見えます。逆は黒に近づいていきます。
これらの違いを理解していないと、同じ花柄だからといって組み合わせても一体感がなく、しっくりきません……
あるいは、メインで目を引きたい柄と、バックグラウンドのような補助的な柄を同じような強さで選んでしまうと、ごちゃごちゃとした印象になります。
あまりものを活用する
もうひとつ、気を付けているのは転写紙の無駄のことです。
分解再構成の際、もったいないからといって本来の柄をあれもこれも残してしまうと、全体のバランスが悪くなるので思い切ってあきらめます。
全部は使いきれないと覚悟して、不要な部分は、いつか何かに……そう思ってやめておくのが得策です。
そんな風に転写紙を使っていると、たくさんの【あまりもの】が出てきます。私のお教室には、【あまりもの】用の引き出しがあります。
そこには、私が今まで使ってきた転写紙のチョコっと余った部分がたくさん入っています。
生徒さんにはその転写紙を自由に使っていただいています。
ほんのちょっとワンポイントでなにかがたりない……単色転写紙が破れてしまったので修正したい……そんな時、大きな転写紙を買わなくても済むようにという気持ちです。
このモザイク模様のプレートもその引き出しから生まれました。
こちらのプレートは、前回お話しした色相環を説明するために作ったものです。似た色で作るのとそうでないのでは、ずいぶんと印象が変わるのがわると思います。柄転写紙もアクセントに使っています。
分解・再構成した作品は「サロンの顔」
転写紙を分解・再構成した作品は、オリジナル作品としてインストラクターのテイストやセンスを表現する『サロンの顔』となるものです。自分らしさを表現した作品を発表することで、それに惹かれた方たちが集まってきますから、力を入れていかなければならない分野です。
根気よく発表していると思わぬところから制作のご依頼がきたりするものです。
お写真はご両親とお子様お二人のファミリーへのプレゼントとしてご依頼を受けたものです。何年か前のものですが、引く色と出す色の構成が判りやすい作品なので、載せてみました。
次回でコラムも最後です!