1年間週7日で休みなく働いてみたのち、一念発起して会社員になったのは「開業資金を貯めるため」
ただ、それだけでした。
一般的にトリマーの労働環境は過酷で、雇われでは正社員であっても一人でまともな暮らしは出来ません。
開業して、初めて利益の出る職業です。
自宅でトリミングサロンを開業するには結婚。
きちんとしたお店を構えて開業するなら最低300万用意してあとは借入。
前者のハードルの方が高く感じた(笑)ため、迷わず後者へ。
「お店開いたら、経営が安定するまでみんなで休みの日に交代でボランティアしてあげるから。だから絶対トリミングサロン開いてね!!!」と、当時一緒に働いていた仲間達からの後押しもあり、まずは「3年」と自分の中で期間を定め、とりあえず派遣OLになりました。
・・・が、絶好調の売り手市場の波に乗り、とんとん拍子に社員になり、奇しくも新卒の就職活動を応援する部署でお仕事をすることとなり、現場に出て、大学生の進路相談に直接乗る機会に恵まれました。
そこではみんな「どんな仕事がしたいのか」
将来について、仕事について、真剣に考え、悩んでいました。
大学時代「なんとなく」就職を決めてしまった私。
そんな彼らの悩みに耳を傾け、応援することにより、遅ればせながら【どんな仕事がしたいのか】真剣に、常に考えるようになりました。
トリマーを選んだのは「犬が好きだから」という理由。
もちろんそれが大前提にあるのですが、実はその他にも外せない3つの条件があって。
1.自宅で出来る
2.短納期
3.国や地域を問わずどこでも出来る仕事
これらすべてを満たしていたからです。
【好き】という気持ちだけで生活を変えるのは危険だけれど、きちんと自分軸の【条件】も満たしているから、これで間違っていないはず。これ以外に自分に合っている職業はないはず。
ずっとそういう結論になっていました。
しかし3年経った頃、どんどん会社での仕事が楽しくなってきていました。
丁度その頃、応援してくれていたトリマー仲間たちは次々と結婚し、悠々自適な自宅トリマーとなり、私の方はサイト運営に携わる部署に異動となり、さらにまた企画に異動し、と、どんどん環境が変わってきていました。
そしていつの間にか、会社員生活が10年になろうとしていました。
もう充分組織で働いた。
そろそろ独立しよう。
けれど、どこか踏ん切りのつかない自分がいて。
というのも、会社員生活で研修や講演をした際に、誰かに【楽しかった】と言ってもらえたことがとても嬉しく、それが自分のモチベーションとなっていることに気づいたからなのです。
トリマーしか考えていなかった10年間。
けれど、このままトリマーになってしまうと【ありがとう】は言ってもらえるけど、もう誰かに【楽しかった】と言ってもらえることが出来なくなってしまう。
決断を先延ばしする理由をつけるように、プライベートを必死で充実させようとしていました。旅行に行ったり、お稽古に通ったり。
そんな時に出会ったのが「ポーセラーツ」でした。
もっとやってみたくて、すぐにインストラクターコースに入会しました。
もちろん、開業するつもりなどありませんでした。
けれど、お教室に通ううちに、もし自分が先生になったら、
毎日誰かに【楽しかった】と言ってもらえる。
それはとても幸せなことではないか。
そう思うようになり、
ついに勢いで会社を辞めてしまいました(笑)