突然ですが、質問です。
モノトーンで描かれた絵柄の転写紙、皆さんはどうやって使っていますか?
「線で描かれた白黒の転写紙は、シャキっと白と黒だけで仕上げよう」と思った、そこのあなた。
もちろん、シックでモダンな作品も素敵です。
でも、その使い方だけでは勿体ないのです!
線画で描かれた転写紙は、手描きの絵付けと組み合わせることで、そのポテンシャルを発揮してくれます!
ポーセラーツを深めている皆さんでしたら、周知の事実だったかもしれませんね。
今回は、線画で描かれた「アウトライン転写紙」の魅力・使い方をお伝えします♪
目次
アウトライン転写紙とは
アウトライン転写紙って何?
アウトライン転写紙とは、線画のみで構成された転写紙のことです。
手描きで色を塗り足したり、単色転写紙で色をつけたりする前提でデザインされていることが多く、絵の下描きの役割を果たすものとなっています。
「絵付けのガイドラインとなる線」を描いているとも言えるでしょう。
日本画の骨描き(こつがき)と同じ役割
日本画にも、「骨描き」という下描きの技法が存在しているのです。骨描きとは、色を塗る前に墨で輪郭線を引くことを指します。
骨描きは後から塗る絵の具で隠れてしまうことが多いのですが、作品においてとても重要な工程です。
この骨描きの出来が、作品の善し悪しを決めるカギとなります。
アウトライン転写紙は、ポーセラーツにおいての「骨描き」であることから、「骨描き転写紙」とも呼ばれています。
この作品は、緑色の線で描かれたアウトライン転写紙に、同系色の絵の具や金彩で色をつけて作られています。
どの部分が転写紙で、どの部分が手描きか、少し見ただけではわからないですよね。濃淡をつけて色を塗ることで、転写紙と手書き部分の一体感がアップしています。
アウトライン転写紙を使用する4つのメリット
1. ワンランク上に見える
手描きで色を付けると、転写紙を貼っただけの作品よりも上質で高級に見えます。
転写紙だけでは表現しきれない「趣(おもむき)」を持たせることができるのです。
ブレのない線は、大変クオリティの高い手描き線にも見えます。ポーセラーツをやったことがない人が見たら、「なんて絵が上手なのだろう!」と感じること間違いなし。ちょっと得した気分になりますね♪
ハイクオリティで高見えする作品は、あなたのお部屋の雰囲気をグレードアップさせてくれることでしょう。
2. 最初から手描きより楽
ポーセラーツに慣れてきて、「手描きの絵付けに挑戦したい!」と思っても、いざ手描きでデザインから行うとなると、やはりハードルが高いものですよね。
アウトライン転写紙を使用すれば、デザインを決める・細かい線描きを行うという、難しい作業を省略することができます。
ポーセリンペインティングに興味のある方は、まず入口としてアウトライン転写紙を使用した作品に挑戦してみましょう!
3. 下絵が消えないから描きやすい
アウトライン転写紙は、通常まず最初に転写紙の絵柄を焼き付けてから絵付けをします。そのため、絵付けの際に下絵が消えてしまうことがないというメリットがあります。
絵付けに使用する上絵具は、焼きつけなければ定着しませんのでやり直しが可能です。
アウトライン転写紙で下絵を焼き付けてあれば、絵付けの部分だけ拭き取っても、元の絵は消えません。これなら、納得いくまで気軽にやり直しできますね!
1枚目の写真は、転写紙で下絵だけ焼きつけた状態のものです。
続けて、絵の具で色をつけていきます。左下に写っているのは、完成後の作品写真ですね。
「絵柄が転写紙だと、せっかく手描きなのに、他の方と似たり寄ったりの作品になってしまうのでは?」と思われた方も、中にはいらっしゃることでしょう。
同じ絵柄の下絵でも、配置を変えたり、色を変えるだけで全く違う表情を見せてくれます。ちゃんとあなたらしい作品になりますので、ご安心ください♪
4. 色違い作品が簡単に作れる
アウトライン転写紙を使用する場合、塗り足す絵の具の色を変えれば、簡単に色違いの作品を作ることができます。
大人気、ヘレンド風の梅柄。
先ほどの黒地の作品と、まったく同じアウトライン転写紙を使用しています。
花の色とお皿の色を変えるだけで、こんなに雰囲気の異なる作品を簡単に作れるのです!
カラーの転写紙を使用する場合、色違いのデザインが販売されていなければ、このようにお花の色を変えるといったことは難しいですよね。
アウトライン転写紙を使用すると、デザインの自由度がぐっと高くなります。
番外編:金下転写紙は金彩のガイドライン
金下転写紙とは、金彩の下描きとなる線を描いてくれる転写紙です。
アウトライン=枠線ではないため、アウトライン転写紙とは異なるものですが、ともに、絵付けのガイドラインになってくれるという共通点を持っています。
こちらの金下転写紙の使い方を見ていきましょう。
この転写紙を焼成するだけでは、金色にはなりません。
こちらが、金を施す前の、1回目の焼成後の様子です。
オレンジ寄りのベージュのような、転写紙の見た目そのままに近い色味となります。
このままでも問題はないのですが、上から金彩を施すために作られた転写紙ですので、やや地味な印象。よりゴージャスにするため、金を塗っていきます。
転写紙をなぞり、塗りつぶすように色を塗って焼成すると、このように金色の絵柄に大変身!
転写紙を下絵にすれば、複雑な絵柄もお手の物です。
おすすめアウトライン転写紙4選
1. ラインお雛さま
今季新作の、ひなまつり用転写紙です。この転写紙は、上から絵付けをする前提で作られています。
例えば、十二単の模様を手描きで仕上たり、金屏風には転写紙で絵柄をつけたり、金彩を施したり。自分のレベルに合わせて、転写紙と手描きをうまく組み合わせましょう♪
2. エレガントラインモチーフ
こちらも今年の新作で、数量限定・会員限定の転写紙です。
絵付けせずに使ってももちろん可愛いのですが、色をつけることで、絵柄の魅力を存分に活かすことができます。
1回焼成で仕上げてもよいですが、2度、3度と色を重ねていくことで、図案が示す立体感をより色濃く表すことができます。
手描きの絵付けだけでなく、単色転写紙をモザイクのように切り貼りする方法を取っても、面白い仕上がりになりそうです!
3. モダンアラベスク
アラベスクとは、イスラム教のモスクの壁面などに見られる模様のことです。
仮に、こんな繊細な草花の絵柄をすべて手描きで描くとしたら、それができる技術を習得するまでに、長い時間を要するでしょう。
アウトライン転写紙を使用すれば、絵付け初心者でも簡単にハイクオリティな作品を完成させることができます!
転写紙は完全にモノトーンですので、色の選択肢は無限大です。
例えば、花びらの部分に華やかで力強い紅色を使用したら、このお写真とは全く違った印象の作品になることが想像できますね。お好きな色を塗ってみましょう♪
リンク先に作品の参考写真が掲載されていますので、参考にしてみてください。
4. シンプルフラワー
商品名が「シンプルフラワー」のためそのままご紹介しましたが、絵柄の線は複雑で細かく、実際に手描きをしたタッチに非常に近いものとなっています。
アウトライン転写紙を使用すれば、すべて手描きのポーセリンペインティングよりは、ずっと手軽で簡単に作品を仕上げることができます。
とはいえ、色を塗るだけでも、筆の扱いにはコツが必要。
まずは、お近くの教室で先生のアドバイスを受けながら作ってみるのがおすすめです。教室検索はこちらから♪