みなさま、ごきげんよう!
東京・自由が丘と千葉・船橋で絵付けのレッスンをしておりますアトリエシュガーミルの柴山麻衣子と申します。
ポセナビコラムには、2014年に「お母さんはサロン主宰者」というタイトルで全4回を書かせていただきましたが、再びコラムを書く機会をいただきましたことを、大変うれしく思っております。
今回も、少しでも読者の皆様のお役に立てるものが書けるよう努めたいと思っておりますので、どうぞお付き合いください。
私のことをご存じない方もたくさんいらっしゃるかと思いますので、まず簡単に自己紹介をさせていただきます。
ポーセリンアートの指導歴は、海外時代を含め約10年以上になりました。フランスでポーセリンアートと出会ったのは、今から20年以上前のことです。その後、どのように私がポーセリンアートと向き合ってきたかは前回のコラムに書かせていただきましたが、日本ヴォーグ社のポーセラーツインストラクターになってからは、レッスン開催と同時に毎年コンクールへ挑戦してきました。
その結果、日本ヴォーグ社キルンアートコンクール手描き部門『大賞』、転写紙部門『佳作入賞』、プラーク部門『佳作入賞』、そして、手描き部門『特別招待作品』としてのコンクール参加などの結果を残すことができました。教室運営も軌道に乗り、ポーセラーツインストラクターをはじめ指導してきた生徒さんは海外でも活躍中です。
美術大学出身でない私でも、このような結果を出せたのは、手描きの絵付けだけでなく、転写紙を使った絵付けに出会えたことが大きいと思っています。転写紙は、敷居の高かったポーセリンアートを手軽に味わえるだけでなく、絵の具や金、盛りなどと組み合わせることで、更に表現の世界を広げてくれるすばらしいツールだったのです。
今回は、そんな転写紙の使い方や作品への取り入れ方について、基本知識や色彩学なども織り交ぜながら、私なり経験をプラスしてお話しさせていただきたいと思います。
転写紙のキーワードは”水”
まずは、転写紙の仕組みを理解することが第一です。
今、私たちが楽しんでいるポーセリンアートで使用されている転写紙は、実はとてもシンプルなものです。
吸水性がよい台紙の上に、”水溶性のり”を湿布し、主にスクリーン印刷で顔料をのせます。さらに絵柄を保つためのカバーコートがつけられたものが転写紙です。
水に入れて台紙をはがして使うので水転写紙とも呼ばれています。この「水」というキーワードを理解していれば、転写紙を水に浮かべたままにしたり、仕上げにアルコールを使ったりするようなことも避けられます。
ポーセラーツは文字通りアートですが、まずは基本的な知識をもって、自分の表現したいものを目指していきましょう。
次からは転写紙を楽しむコツをドンドンお伝えしていきたいと思います。