近年、ポーセラーツ業界ではガラス作品の人気がどんどん高まっています。
既に作ったことのある方も多いのではないでしょうか。
ポセナビでも、ガラスに関する特集は大人気です。そんな人気の上昇に伴って、新しいガラス用転写紙がたくさん発売されています。
そこで今回は、最新版ガラス用転写紙特集です!
実は、白磁用転写紙とは異なる様々な特徴を持っているガラス転写紙。
取り扱いやレイアウトのコツもご紹介します♪
目次
ガラス用転写紙の3つの特徴
1. 焼成前後で印象が大きく変わる
白磁を使用した作品の場合同様、ガラス用の転写紙も、焼成前と後で色味が変わります。一般的に、転写紙よりも落ち着いた色になることが多いです。
ガラスは透明なので、白磁に比べ、より転写紙の色の変化を大きく感じやすくなっています。
また、焼成前後で色味がまったく異なる転写紙も多く存在します。
こちらの素敵な桜柄の転写紙。焼成後は、このように桜らしい淡いピンク色です。
この転写紙の焼成前、実は……。
こんな風に、全面が黄色なのです!驚きですよね。焼成すると色味が変化するインクが使われています。
あまりにも色が異なり、また単一色になっていることが多いため、焼成後の仕上がりを考えしながらレイアウトするのはなかなか困難なもの。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、徐々に慣れてきますよ。
焼成後イメージの色味を参考にしながら、想像力を働かせてチャレンジしてみてください!
2. 背景の色で異なる見え方に
白磁を用いた作品の場合、基本的に背景色は白。ティーカップに飲み物を注いでも、絵柄の見え方が飲み物の色に影響されることはありませんよね。
ただ、ガラス作品の場合そうはいきません。ガラス=透明です。当然、器の中身の色によって見え方が変わってきます。
幾何学模様のガラス用転写紙の画像です。
こちらのバックに白や黒を仕込んだ場合、どのような見え方になるでしょうか?
なんと!バックに何色がくるかによって、こんなにも印象が違ってくるのです。
グラスの場合、飲み物の色によって印象が変わりますよね。
もちろんそれが面白さのひとつですが、中に何を入れても狙った色味を維持するために、重ね貼りをするという方法もあります。
ただ、ガラス用の転写紙は、白磁用の転写紙に比べて重ね貼りが難しいという性質が。不安な方は、まず教室の先生の手を借りてやってましょう。
ホワイトのロゴ&トロピカル柄の転写紙で仕上げたグラスに、ブラックのアイスコーヒーを注ぐとこう見えます。
背景色が濃い分、白の転写紙部分が際立っていますね。
このグラスにアイスミルクティーやりんごジュースなど白味のあるドリンクを注ぐと、絵柄がもう少し目立たなくなるでしょう。用途に合わせて転写紙を選べると、使っていても楽しい作品にできますよ♪
3. 転写紙の裏面も作品の一部
ガラスの作品の場合、手前に見えている部分だけでなく、反対側に貼った転写紙の裏面が見えるという特徴があります。
言葉での説明ですと、わかりづりらいですよね。どういうことでしょうか?
プルメリア柄のガラス用転写紙を例に、説明します。
こちらの画像が、転写紙のサンプルです。
写真左が焼成後の表面、写真右が焼成後の裏面の見え方です。
白磁ですと焼成後の裏面を見ることはまずないですよね。ガラス作品の場合、この裏面も作品の一部として見えてきます。
上記のプルメリアの転写紙を使った作品がこちら。
わかりますでしょうか?左から2番目のグラスは、縁取りの小さな花の奥側が、裏面となっています。
一番右のグラスは、右奥にある大きな花が、裏面が見えている状態です。
このように、何も入っていない状態や透明な液体を注いだ場合は、裏面の見え方も作品の出来栄えに関わってきます。
作業中は、正面から今貼っている転写紙を見るだけでなく、少し遠めから見てみるなど、全体のバランスを確認しつつ取り組むのが素敵な作品を作るポイントです。
また、白色の含まれる転写紙は、表面と裏面で色味の差が出やすくなっています。
この写真は、先ほどのプルメリアとは別のお花柄のもの。左が焼成後の表面、右が裏面です。
この転写紙は白色の上に黄色やピンク・緑で描かれている構造のため、裏から見るとほとんど色が透けません。
いっぽうこのグラスは、転写紙の透明度が高く、転写紙の向こう側も見えるような質感です。
このように、転写紙によって焼成後の印象に差が出ます。
各転写紙の性質を理解し、裏面の見え方も意識しながら配置すると、きっとワンランク上の仕上がりになりますよ♪
おすすめガラス用転写紙&作品例
ガラス用転写紙は需要が高く、年々絵柄が増えていっています。人気の高い絵柄や、個性があり魅力的な転写紙をご紹介していきます♪
レース柄転写紙
ガラス用転写紙での一番人気は、恐らくこういったレース柄でしょう。
絵柄が白色のみ、もしくは大部分が白色で構成されている場合、転写紙は別の色に置き換えられていることがあります。
焼成すると白色に変化し水色ではなくなりますので、注意して選びましょう。
濃い色のテーブルとのコントラストが美しい!とてもエレガントな仕上がりですね。
特別なランチ・ディナーの際はもちろんのこと、派手すぎないのでカジュアルに使うことも可能です。
花柄・植物の転写紙
シダ植物
リアルな質感、繊細なタッチのこちらのシダ植物転写紙。どんな風に仕上がるのでしょう。
なんだか、標本のようです!シャーレにぷかぷかと浮いているよう。驚きと、自然の美しさを感じることができる作品となっています。
こちらのプレートは、サロンの生徒さんが大学生の息子さんへのプレゼントとして作られたものだそうです。確かに、男の方でも抵抗がなく使えるデザインですね!
アクセサリーや小物入れにしたら、男性のお部屋のインテリアに映えること間違いなしです。
お花
可愛らしいピンクのお花の転写紙。花束の部分はサイズ違いや反転タイプになっていたり、リースは少しだけ使っているお花が違っていたりと、凝った組み合わせになっています。
女性らしい優しい雰囲気のカップ。レース柄や単色転写紙と組み合わせることで、とても華やかに仕上がっていますね。
ハーブティーを注いで、優雅なティータイムを楽しんでみてはいかがでしょう。
底面に見えているのは、実は、カップではなくソーサーにつけた絵柄です。ガラスならではの楽しみ方ですよね。工夫してレイアウトしてみてください♪
ひまわり
夏らしいひまわり柄の転写紙。水色の部分は、焼成すると白色に変化します。
夏の太陽を感じる元気な絵柄。こんな風に小さめのグラスに使うと、大人っぽさも出すことができます。焼成すると、白がはっきりと表れてより素敵ですね。
ゴールド転写紙
夏に毎年人気が出るのが、こちらのサンゴとシェルの転写紙。単色でゴールドオンリーだからこそ、夏の爽やかさを大人っぽく味わうことができます♪
サラダや前菜に使いたい、ガラスのプレートがこちら。冷製パスタなどにもよさそうですね♪
グラスに使ってもGood♪金彩なので、どんな飲み物を注いでも、絵柄がすっと浮き出て引き立ちます。
冷たい飲み物を入れるグラスには、いつだって爽やかさが欲しいもの。季節を問わず使いやすいアイテムです。
和風転写紙
レトロな雰囲気が可愛らしい花柄の転写紙。和風の絵柄の中で、長い間人気を集めています。
花づめ転写紙を使ったグラスをご紹介します。本当に可愛らしいですね♪
お正月やひな祭り、お花見など、和のイベントでの乾杯で大活躍してくれそうです。
絵柄が小さいからこそ、さらに小さなお猪口・チャイグラスにも使うことができます。
もちろん和風の転写紙だけを使用して仕上げても可愛いのですが、この茶器にはもう少し工夫が。
底面のマーガレット模様を活かして、裏から単色転写紙を仕込んであります。
ひと工夫で、作品の完成度はぐっと高くなります。是非、こだわって作ってみてください♪
アラビア風転写紙
近年人気の高まっているアラビック柄。こちらはラスター転写紙なので、透けたような印象に仕上がります。
転写紙の絵柄自体に透明感があり、やりすぎないお洒落さが人気の秘密です。
グラスの脚に絵柄を入れることで、ラグジュアリーな雰囲気が演出できます。ガラスの光の屈折を活かした箸置きも素敵ですね。
こちらは、先ほどひまわり柄の転写紙でご紹介した作品と同じもの。実は、脚の部分にアラビック柄のラスター転写紙が使われていたのです。
透けた色味で目立ちすぎないからこそ、他の転写紙と組み合わせやすくなっています。
ガラス用の転写紙はどこで手に入るの?
今回ご紹介した転写紙は、すべて日本ヴォーグ社公式通販サイト「Kiln Art」で販売されています。
人気の絵柄は売り切れてしまうこともありますので、気になる転写紙があった方はお早目のチェックを!
「まずは教室で作ってみたい!」という方は、こちらからお近くの教室を探してみてください♪