バスケット課題が終わり、器のふちにかかる転写紙をキレイに折り込めるようになったら、「ポマンダー」の制作にも自信が持てそうですね。
ポマンダー課題では、バスケットと同じく柄転写紙の折り込み技法のほか、柄転写紙と単色転写紙をキレイにつながるように貼るための、境目のカットワークなどを身につけます。さらに、転写紙課題を済ませて一旦焼成した後には上絵の具を使ってスポンジングをするなど、意外と工程の多いカリキュラムとなっています。
ところで、ポマンダーとはいったい何をするためのものなのでしょうか。
「ポマンダー」はもともと、中世ヨーロッパで疫病が蔓延した際に流行した、魔除け、病魔除けのお守り。銀や象牙で作られた穴あきの丸い容器にスパイスなどの香料を入れ、持ち歩いたのが始まりといわれています。
現代では、純粋に香りを楽しむための入れ物として定着しているこのポマンダー、どんなデザインが人気となっているのでしょうか。
目次
ポマンダーのデザイン|香り立つ魅力がたっぷり
バスケットとお揃いデザインで仕上げる方が多いポマンダーのデザイン。バスケットのデザインとのリンク方法も参考にしてみてはいかがでしょう?
また、蓋つきのアイテムいうことで、蓋と身の柄合わせにも注目してみてくださいね♪
グレープのフレッシュさが魅力のポマンダー
パッと目を引くグレープ柄の転写紙を活かしたセット作品です。
ポマンダーにぐるりと巻き付けられたブルーの帯は、バスケットの持ち手と同じ幅でキレイにリンク。グレープ柄をしっかりと見せるように、葉っぱの柄を折り込みに使っています。
また、ポマンダーの蓋のふちにも葉っぱが。バスケット同様、金彩の一部を跨ぐように葉っぱの柄が折り込まれていますね。ポマンダー本体はまだ色つけ前ですので、このあとグレープをマスキングして上絵の具をスポンジングすることになります。
爽やかなブルーとパープルが際立つデザインのポマンダー。フレッシュな香りでお部屋を明るくしてくれること請け合いです。
清楚さが際立つお花のポマンダー
こちらもバスケットとお揃いデザインの作品です。華奢な茎が印象的なお花たちが、風を感じるような動きのある配置であしらわれています。
バスケットとポマンダー共に、金彩が細く一定の幅で美しく施されていて、白さを生かしたこの作品に上品な輝きをもたらしていますね。
ポマンダー本体には、お花と同系色である淡いピンクの単色転写紙でラインが引かれていますが、上絵の具による着色はまだこれから。どのように仕上げられるのか、楽しみです♪
モダンなローズのポマンダー
淡いモノトーンのローズを内側にもふんだんに配置した、大人な魅力が漂う作品です。こちらもバスケットとセットでのデザインになっていますね。
色味が少ないからこそ、絵柄の大きさや配置などのバランスがレイアウトの決め手となります。
こういったデザインを参考にする場合、モチーフの向きや色の濃淡、残す背景の量や形に気を配って、カンペキなレイアウトを探したいですね。
シックで優しい香りが似合うオトナなポマンダー。使う場所を選ばず、長く愛用できそうです。
和柄が新しい♪ポマンダー
バスケットデザインの記事でご紹介した「和柄のかわいさがたまらないバスケット」とお揃いの作品です。
まんまるの鞠や蝶々結びの紐には動きが感じられ、その間をひらひらと舞う蝶を印象的に見せるレイアウトですね。蓋の白が非常に明るい印象で、この後、ポマンダー本体に色付けがなされると更に、蓋の白が生きてくるように思えます。
バスケットもポマンダーも丸っこいフォルムが特徴的なアイテムですから、キュートな印象のデザインとも相性ピッタリ。アプローチ次第でどんなデザインにも馴染むアイテムです。
伸びやかさが魅力の花柄ポマンダー
水彩フラワーの転写紙がみずみずしい魅力を放つこちらのポマンダーは、上絵の具でのスポンジングも施された完成品。ちょっと写真では見づらいですが、ポマンダーの身の部分に注目すると、イエローのラインの下側部分に、淡いイエローでスポンジングがなされていることがわかります。
蓋の方には小さめのお花をレイアウトし、身の部分には、大ぶりな赤いお花を配置することによって地色に負けないインパクトを。メリハリのあるデザインが効果的です。
また、ポマンダーの身から、蓋のお花に向かって伸びる茎が上下のパーツを上手に繋いでいて、世界観に広がりを持たせています。小さな作品のなかに大きな世界を感じさせる、卓越したデザインといえるでしょう。
お顔に見える?ポップなポマンダー
ポマンダーの蓋に、ポップな唇モチーフを使った先駆的な作品です。蓋の穴が目に見えて、何度見ても顔に見えてしまうデザイン。独特の誘引力がありますね。
ブルーのラインの入れ方も独特で、この作品のオリジナリティーを加速させています。身の部分には、あかぬけた女の子モチーフの転写紙を使用。上の写真は、転写紙での加飾を終えたところです。
下の写真では、ポマンダー本体の柄転写紙とブルーの単色転写紙以外の部分に、レモンイエローの上絵の具でしっかりとムラなくスポンジングがされています。
1色足す前と後とでは、ずいぶんと印象が異なっているのがよくわかりますね。
あとからどんな色がどのように入るのかということを計算した上で、転写紙の配置をおこなうこと……このような技術も、今回のポマンダー課題で身につけるべきことのひとつです。
春爛漫♪ココロ華やぐポマンダー
細かな桜の模様が美しく、日本の春を感じるポマンダーです。こちらも上絵の具でのスポンジングまで終えた、完成作品となっています。
身と蓋とでは桜柄の配置を変え、蓋は地の色を生かして落ち着きのあるレイアウトに。身は斜めに伸びる枝ぶりを構成してダイナミックさを演出しています。背景には桜の花と同系色のパステルピンクを使用し、葉っぱのフレッシュさが際立つデザインになっています。
細かく丁寧にマスキングされている様子が伝わりますね。
ピンクでふんわりと愛らしく仕上がったこの作品。和の香りも洋の香りも、どちらも似合いそうですね。
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今回は、ポマンダーのデザインをご紹介いたしました。参考になりそうなアイデアは見つかりましたでしょうか。
インストラクターコースで扱うアイテムには、それぞれクリアするべき技法が設定されていますので、その条件を満たし、なおかつご自身の「好き」を散りばめたデザインを考えることが大切です。次はどんな作品が出来上がるのでしょうか?
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>>>『【デザイン集】ポーセラーツインストラクター課題(目次)』
ポーセラーツインストラクターの資格や課題に関しては、以下の記事をご覧ください。
是非ご参考になさってくださいね♪