前回、上絵の具の色見本を制作する中で、上絵の具の扱い方や特徴について多くのことを学ばれたことと思います。
今回から実際に作品の中にそれらの技術を生かしていく段階に突入します。まずは「タイル大」の制作です。
マスキングテープを使って思い通りの形にマスキングし彩色することや、スクラッチ技法を使って細かい絵柄を表現することなど、この課題で身につけられるテクニックはのちのち役に立つテクニックばかり!
先輩方はどのような工夫をして、四角いタイルの中にご自身の世界観を表現されているのでしょうか?
目次
タイル大のデザイン|真っ白なキャンバスに描くように
ポーセラーツインストラクターのカリキュラム課題の中でいくつかあるタイル課題の中でも、今回の作品はマスキングとスクラッチというわずかな制限しか設けられていませんから、かなり自由度の高い作品に挑戦できる課題と言えます。
四角いタイル1枚で構成されていますから、その後の使い方も、立てかけたり敷いたりといろいろ。どんな見せ方をするかによって、描きたい世界も変わってきますよね。
丁寧さが際立つタイル大
まるで版画のように見えるこちらの作品♪
マスキングもグラデーションもスクラッチも、なにもかもが細かく丁寧な仕事の蓄積で仕上げられています。
グラデーションは特に、いかに思い通りの濃淡で仕上げられるかによって、作品の完成度や満足度が変わってきます。今回の作品のように、あとからスクラッチによる白抜きを加える場合は特に、バックの色味を思い通りに表現することができてこそ、白いラインとのコントラストを美しく見せることができるのですね。
大好きがあふれているタイル大
こちらの作品は、大好きなアーティストをモチーフにデザインされたもの。
ご自身の愛してやまないアーティストのことだけを考えて制作に没頭できるなんて、どこまで贅沢な時間なのでしょう!
モノトーンを基調としてプラス1色でデザインされた図案も、モード感漂う独特な雰囲気で惹き込まれます。見るたびに幸せな気分になれるタイルが完成しましたね♪
ご自身の趣味を100%追求する作品作り、今回のタイル大でこそトライしていただきたいと思います。
図案がポップでかわいいタイル大
こちらの作品の特徴はなんといってもこのデザイン。幾何学模様が織りなす自然の世界はまるで、スタンプをポンポンと押して作られたかのよう!
鳥さんの爽やかなブルーと深みのある赤、緑。全体的な色味のバランスも良く、かわいらしくポップに仕上がっていますね。
双葉をくわえた鳥さんがリビングに幸せを運んでくれそうな1枚です♪
大胆なデザインが映えるタイル大
こちらの作品は、スカーフをモチーフにデザインされたそうで、リボンのステッチ部分はランダムにスクラッチされています。
このタイルの課題、敷物系のデザインの多くがシンメトリーな構成でデザインされているのですが、このようにアシンメトリーな動きのあるデザインも魅力的です☆
小物をいくつか置いて使っても楽しいですよね!
スポンジングが魅力的なタイル大
タイル全面を埋め尽くしているテクニックの要素が非常に多い作品です。
左右のラインも工夫されており、ラインを構成する市松模様は特に、丁寧なマスキングと根気強さが必要!
また、黒バックにスポットライトのようなグラデーション、それに重なる白抜きのハートや、上から重ねられたピンクのスポンジングによるハートなど、どれも複数回の作業を重ねて表現されているモチーフばかり。
出来上がりのデザインから逆算して制作を進めていくことが上手になると、おのずとデザインの幅も広がっていきますよね♪
金具とも相性バッチリのタイル大
少ない色数ながらも、使う箇所によって彩色の仕方を変えられていて、シンプルな構成の中に変化を感じさせるデザインになっています。
マスキングされたラインの中には2色のグラデーションが、ふんわりと染め物のような風合いを醸し出しています。中央部分の、スクラッチされた模様も華やか!
タイルは、このように鍋敷き金具などをつけて使うことも可能ですから、制作前に用途を考え、どんなパーツと組み合わせるのがいいか考えるという楽しみもありますよ♪
額縁にもよく似合うタイル大
色ごとの面積バランスの良さが特徴の作品です。
太い縁取りに使われている青の色味は、邪魔にならないトーンを選択。細くしなやかなグリーンには存在感のある色味を、広い面積の小鳥には淡いトーンのブルーを……と、絵柄の中のどこかにだけ偏りを生じさせない上手な色選びがなされていますね。
また絵柄自体も、お話の中の一場面のようなデザインですが、こういったデザインを採用した際に相性バッチリなのが、タイル用の額。
額縁で囲えばさらに、作品の中に独立したひとつの世界観を与えることができます♪
転写紙との組み合わせが華やかなタイル大
こちらのプリンセスモチーフは、ブラック&パープルのグラデーションと細かいスクラッチのラインを施したあと、いったん焼成してから転写紙のレースを重ねて2度目の焼成をしたものです。
今回のタイル作品では、上絵の具でマスキング&スクラッチを用いて表現すれば課題の条件はクリアすることになりますが、この作品のように、より良い表現を求めて転写紙をプラスすることも大歓迎!
今後の作品作りにも役に立つ技術ですから、「こんな出来上がりになるといいな!」と思いついたことはすぐに先生にご相談されることをオススメします♪
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タイル大の課題作品はいかがでしたでしょうか。白磁がシンプルなものになればなるほど表現の幅が広がるということを感じられたかと思います。
自由度が高く、おのおのの世界観を自在に表現することができるタイル大。みなさんの作品作りの参考になればと思います♪
デザイン集記事の一覧ページはこちら
>>>『【デザイン集】ポーセラーツインストラクター課題(目次)』
ポーセラーツインストラクターに関して、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
是非ご参考になさってくださいね♪