今回の「バルカプレート」は、前回の課題「下地処理のタイル小」で学んだ技術を作品に生かす実践的な課題です。
斜めに立ち上がるリムの付いたプレート3枚に、それぞれ異なる下地処理を施し、セラミックペンシルとイリス絵の具で着彩。タイル小と同じ技法をここでさらにブラッシュアップします。また、上絵の具のスポンジングや金彩の技術と組み合わせて、ワンランク上の手描き作品を目指します。
この課題をきっかけに、リムにかかる部分の手描きのコツや、マスキングリキッドの上手な使い方など、レッスンの中でしっかりと教わってマスターしましょうね!
目次
バルカプレートのデザイン|飾り皿として美しく
このバルカプレートの課題は、食器用ではない材料を使っての制作となるため、完成したお皿には食品を載せず、インテリアとして活用することになります。
また、今回使用する白磁は、楕円形をしたリム付きのお皿。正円や正方形のプレートとは違ったデザインが期待されます。セラミックペンシルとイリス絵の具で描かれるメインモチーフは、リムにかかるように描くことが必須。モチーフとリムとの配色の仕方やプレートの向きによる構図の違いなどに注目してみてくださいね。
飾り皿として使用する際に、どんな場面でどのように飾られるのか。また、インテリア用品としての使い道も想像しながらご覧ください☆
美しいお花のバルカプレート
水彩画のようなタッチで描かれたフラワーモチーフが美しいこちらの作品。イリス絵の具らしさが、ふんわりとしたニュアンスに表れています。
お花は、バルカプレートのデザインの中でも特に人気のモチーフ。セラミックペンシルとイリス絵の具という組み合わせから生まれる、柔らかな表情が生かしやすいモチーフです。
この作品は、お花の色合いに合わせてリムのカラーも淡い色調をチョイス。フチの金彩が映える上質なデザインに仕上がりました。
カラフルスイーツのバルカプレート
この作品は、キュートなスイーツのモチーフが魅力的ですね!
実は、お菓子も、バルカプレート課題では大人気のモチーフ。今回の課題では、食器用でない材料を用いるので、制作したお皿にお菓子を載せることはありません。ですから、プレートそのものに思い切ってスイーツを描くチャンスなのです!
しっかりと濃いめの色で彩色されたモチーフは、パッと目を引きますね。リムのカラーは、モチーフの中から抜き出したカラーを採用して、統一感もばっちり。配色の基本を押さえた安定感のある方法ですね。
色違いリムが活きるバルカプレート
こちらのバルカプレートも、それぞれカラフルなリムが印象的な作品です。
先ほどご紹介したスイーツの作品は、3枚それぞれに違うスイーツの図案が描かれていましたが、この作品のモチーフはすべて桜で統一されています。どんな背景にも美しく映える桜は、モチーフとしての主張は強め。
リムの色変化だけで魅せる、3枚の異なる魅力に注目したい作品です。
柄違いで魅せるバルカプレート
この作品は、色味を統一し、図案の違いで3枚に変化を持たせた作品です。さらに、リムとモチーフに似かよったカラーを使うことで、まとまりのあるシックな作品となっています。
お揃い感のあるシリーズ作品を制作するときは、色違いで作ることが多いですが、柄違いという方法も効果的。ぜひ採り入れたい手法です。
はっきりとした「縦位置」でレイアウトされているということも、この作品の特徴ですね。
ゴールドをアクセントにしたバルカプレート
今回のバルカプレートの課題では、周囲にぐるっと金彩を施すことになっています。ですから、メインモチーフの中にゴールドカラーを上手に使うと、金彩と相まって、よりラグジュアリーな魅力が生まれます。
この作品のメインモチーフは、ゴールドで縁取った図案をカラフルに塗り分け、まるでステンドグラスのよう。リムのカラーの中から浮かび上がるようなインパクトがありますね。
ふわふわカラーのバルカプレート
おしゃれな女の子モチーフがモダンな印象のバルカプレートです。
この作品のリムは、スポンジングでの着色という条件を活かした、ふわふわ感がポイント。多色使いのスポンジングで、まるで綿あめのようなふわふわ感を表現しています。
バルカプレート課題の制作の流れは、セラミックペンシルとイリス絵の具で手描きのモチーフを描いた後に、マスキングしてリムに上絵の具でスポンジング、最後に金彩、という流れ。先に描いたモチーフの雰囲気や色調に合わせて上絵の具をどう乗せるかで、作品の印象は大きく変わります。
上絵の具のスポンジングをべた塗りに近い状態に仕上げるか、このようにふんわりと濃淡を出すのか、デザインの幅は案外広いものです。
大理石風リムのバルカプレート
この作品の特徴は、リムにほどこされた大理石模様!
淡い色味で大理石模様を表現したことで、ゴールドの縁取りが映えていますね。控えめながらもリッチな魅力あふれる作品です。
メインモチーフには憧れの思いを込めたソフトクリームを。3枚それぞれにモチーフの色味を少しずつ変え、個性をプラスしています。
一度は描いてみたいバルカプレート
今回最後にご紹介するのは、誰もが知る「ミュシャ」のイラストを模写したバルカプレートです。
アルフォンス・ミュシャは、アール・ヌーヴォーを代表する画家として、その繊細な画風が日本でも大人気。そのミュシャの美女3人を、自分の手でプレートの上に生まれ変わらせることができるなんて、ときめきが止まりません。
この作品、見れば見るほど、その模写の精度の高さに驚かされます。
絵の具の扱いや表現方法に慣れないうちは、模写に挑戦することはハードルが高いことのように思えますよね。しかし、模写をすることによって、筆使いや色使いのテクニックを一気に獲得できるのもまた事実。ぜひ一度は、憧れの絵画の模写にチャレンジしてみましょう!
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今回ご紹介した「バルカプレート」のカリキュラム作品はいかがでしたでしょうか。
前回のタイル小の課題に引き続き、手描きの面白さにのめりこむ方が多く誕生するこの課題。カリキュラムの条件として求められている技術だけでなく、あらゆる技法をプラスして、ご自身の表現を追求してみてくださいね!
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>>>『【デザイン集】ポーセラーツインストラクター課題(目次)』
ポーセラーツインストラクターに関して、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
是非ご参考になさってくださいね♪