第4回「お気に入りの作品」

お気に入りの作品はたくさんありますが、特別な思い入れがある作品として、大好きなマイセンのスキャッタードフラワー風の転写紙と、盛りと金彩の規則的な連続模様で仕上げた蓋物をご紹介させてください。

Collage 2015-02-18 11_12_33 ポーセラーツの世界に飛び込んだのは、チャイナペイントに憧れはあるものの、敷居の高さへの抵抗感が否めなかったからです。

ポーセラーツの愛好家の方は同じ思いがある方も少なくないのではないでしょうか。

現在のように、豊富な種類の転写紙がない頃、マイセン風の転写紙は不思議な事にたくさん存在してたので、マイセン好きの私には魅力的ゾーンでした。

いつか、自分で手描きがしたい。と、強く願うきっかけになったのもこの作品です。

実はこれ、実家の母が大病を患った時にリクエストされプレゼントしたメモリアルポットなんです。
蓋に取っ手がなかったので、バラの陶花とリーフを彩色・溶着させて開閉しやすくしてみました。

生前、メモリアルポットを贈るのは、長寿のゲン担ぎに縁起がよく、葬送文化としても注目が高まっていると聞き、願いを込めて作りました。

Collage 2015-02-18 11_22_35その甲斐あってか、現在は宣告されていた下半身不随も克服し、症例報告会の資料として使われるほど回復しました。

色々な想いと願いを込めて制作したメモリアルポット。

今の私ならもう少し完成度も高く仕上げる事ができたはずですが、費やした時間や巡らせた想いは当時の私の精一杯の誠意でした。

ポーセラーツは既製品と違い、費やした時間と想いも一緒に贈る事が出来る事が最大の魅力だと思います。

かくいう母は、メモリアルポットとしての用途からはすっかり脱線し、インテリア収納器として応用しているようです。

お里帰りしてきたエレガントメモリアルポットちゃん♪
私は不謹慎にも、トイレットペーパー入れとして画像撮ってみました(*ノ▽ノ)
今年は手描きのエレガントメモリアルポットの制作に力を入れたいと思っています。
アラフィフなのでね(^_-)


■コラム執筆者のプロフィール

ポーセラーツサロン「ラクロッシュ」。
2006年より福岡市南区の自宅にてレッスンを開始。
丁寧な指導と高い技術力が口コミで広まり、有名インストラクターもこっそりブラッシュアップにくる隠れ家サロン。
2男1女の子育ての経験に魅力を感じる若い世代からも支持を得る。
その他、天神のカフェレッスン(月1開催)や、彩色チャイナペインティング倶楽部九州事務局など活動の幅を広げている。
また、福岡では数少ないガラスフュージングの認定校。

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