この「ペンワーク25cmプレート」課題では、円形の平らなリム付きプレートを使用。ゴールドペンでの線描をメインとしたデザインが求められている課題です。
ゴールドペンの扱い方やリムデザインのこなし方は、皆さん「スクエアリムプレート」で習得済みですね。今回は一度身につけた技法を使っての制作ですから、安心してのびのびと描いていきましょう!
ペンワークならではの図案を、どのようなスタイルで自分らしく仕上げるか。
そのあたりに着目して、個性豊かな作品をご覧になってください♪
目次
ペンワーク25cmプレートのデザイン|線描の美しさ
今回の課題は、ペンワークを主役にしたデザインで制作することが必須条件!小さなモチーフで満足してしまうのではなく、線描だからこそできる表現というものを追求していきましょう。
また、課題の条件であるペンワーク自体は、着色なしの線描のみでクリアできますが、もちろんアレンジは自由自在!今回も思う存分、ご自身の世界観を表現しましょうね。
北欧モチーフが素敵なペンワーク25cmプレート
プレートの全面に北欧風のお花デザインをあしらったこの作品。北欧インテリアのファブリックを思わせる、シンプルなラインフラワー柄ですね。
伸びやかなラインがこの作品の魅力!ペンワークがスムーズにおこなわれていることが想像できます。
インストラクターカリキュラムの課題の中でも、ゴールドペンのペンワークは好き嫌いが分かれやすい課題です。その理由は、慣れないゴールドペンの扱いそのもので躓いてしまう方が多いから。上絵の具をペンワークオイルで練る際に、描きやすい最適な「練り」が出来れば、描く時のスムーズさや作品の仕上がりもぐんとアップします。
細密なアリスが印象的なペンワーク25cmプレート
リアルに細かく描かれたアリスの仲間たち。その細かさには驚かされます。
この課題に限らず、ペンワークを主体にしたデザインを素敵に仕上げるためには、ちょっとしたポイントが。
それは、線の役割を意識すること。
平面的にイラストを縁取りたい場合と、立体的な図柄を描きたい場合では、線の使い方や活かし方も変わってきます。
ペンワークでは、図案の中に濃淡を作りたい場合に塗りつぶすということはせず、ハッチング技法(平行な線の密度や重ねによって面の濃淡を表現する技法)を使います。このアリスの作品も、この技法がフルに使われています。
上から彩色をする場合には、線で濃淡を作るのか、色で濃淡を作るのかにも気を配りながら制作するとよいでしょう。
クリスマスを飾るペンワーク25cmプレート
こちらは、雪の結晶をモチーフにした作品。モチーフの配置をツリー型にすることで、一気にクリスマスムードが高まっています。
写真左の作品に、黒1色で描かれているモチーフをよく見ると、ほんとうに細かく描かれていることが分かります。ペン先を詰まらせてしまわないよう、きちんと練られた絵の具を使ってテキパキと描いていくことが大事ですよね。
写真右は、ペンワーク課題ののち、自由制作の課題用に着色したものです。
モノトーンのモチーフをいくつか残しつつ、ブルーで着彩。リムにはシンプルなゴールドのラインを加飾し、線と色の両方を楽しめる仕上がりになりました。
青い雪の結晶が、冬の、キリリと引き締まった透明な空気を思い起こさせます。
金で加飾されたペンワーク25cmプレート
リムに施された金盛りと、花芯のゴールドが独特の華やかさを添えるプレートです。
お花を縁取ったラインは有機的で動きがあり、生命力を感じられます。
また、この写真では少々分かりづらいのですが、この作品はあらかじめ、単色ベージュの転写紙を2枚貼って一旦焼成。そののちにペンワークを施しているのです。
プレートのベース色が白ではなくベージュになるため、ツヤ黒のラインや金彩とのコントラストが多少弱まります。そのことによって、この作品の繊細な品の良さが一層引き立っています。ベージュとツヤ黒とゴールド、この3色だけに抑えた配色が秀逸です☆
リムも美しいペンワーク25cmプレート
これまでにご紹介した作品とは異なり、この作品は、リムの部分に独立した加飾をおこなっています。
プレート中央には、ラフでモダンなパフュームボトルを。リムには、グレージュの格子柄をデザイン。モノトーンで描かれたパフュームボトルにこのリムが組み合わされることによって、大人な雰囲気がアップしています。
作品の印象コントロールには、メインモチーフの選び方だけでなく、リムデザインのテイストも大きく影響します。
こだわりの彩色が光るペンワーク25cmプレート
こちらもシンプルカラーのリムデザインと、プレート中央のメインモチーフという組み合わせの作品です。
メインモチーフに選ばれたのは、ファッションデザイナー三浦大地さんのイラストだそう。女の子そのものには着色せず、洋服にだけカラーリングがほどこされていますね。他の部分に着色が無いことと、リムのカラーが控え目なことも相まって、きっちりとカラーリングされたお洋服たちが印象的に仕上がりました。
柔らかくブラウンで仕上げたペンワーク25cmプレート
この作品は、ふんわりとしたテイストのメリーゴーランドをモチーフにし、メルヘンな世界観が表現されたプレートです。
リムにかかるように描かれた風船の束も、ふわふわと漂うような動きと軽さが感じられます。
ペンワークで描かれた線の部分は、非常に細かく密度も高くなっていますが、この軽い印象!
その秘密は、線に使う色を黒にせず、茶色にしたことです。
細かく密度の高い描写部分を重い印象にしないために、色を選ぶことによって線の強さを弱め、柔らかい雰囲気を出したという部分が、この作品の大きなポイントになっています。
そして焼成後に色付け。
茶色の線描を生かす淡い色味で着彩されていますね。色付け自体は今回の課題の要件に含まれていませんが、下地処理の課題で学んだ様々な色付けのテクニックをここでも発揮してみてくださいね。
模写がすごいペンワーク25cmプレート
こちらは、バルカプレートの記事でもご紹介した、ミュシャの模写作品です♪
今回は、アルフォンス・ミュシャの寓意画作品『四芸術』の中から『絵画』を題材に選んでプレート上に再現しました。
バルカプレート課題の作品群とは異なり、今回はしっかりとした縁取りラインが魅力的な作品に仕上がっています。女性の流れるようなラインは流麗に、背景の微細な模様は緻密に。それぞれ細部までこだわりが感じられます。
ペンワークだけでなく、着彩の丁寧さも見事ですし、リムにあしらわれた大理石模様も、モチーフの醸す空気感とマッチしていて素敵ですね。
お手本との見比べによって、作品の完成度が分かりやすい「模写」というジャンル。
基本的な技術習得を目的とする場合にも、ブラッシュアップを目的とする場合にも、模写がもたらしてくれる気づきは多いものです。皆さんもぜひ、採り入れてみませんか?
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今回はペンワーク25cmプレートのデザインをご紹介しました。課題の自由度もますますアップして、さらに個性的な作品が多くなってきましたね。皆さんのカリキュラム作品作りの参考になればと思います。
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>>>『【デザイン集】ポーセラーツインストラクター課題(目次)』
ポーセラーツインストラクターに関して、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
※2019年10月改定のポーセラーツインストラクター新カリキュラムについては、追ってご紹介します。