ポーセラーツには様々なデザインがありますが、その中でもあらゆる世代に人気なのがアラベスク柄とダマスク柄です。この2つのデザインは、似たようなモチーフが使用されていることから混同されやすく「どっちがどっちだっけ？」となりやすいデザインでもあります。
そこで今回は、アラベスク柄とダマスク柄を詳しくご紹介♪どのような違いがあるのか、デザインができた背景や歴史を追い、ポーセラーツの作品例を見ながら解説していきます。
違いをの謎を解消してきちんと把握できれば、デザインの幅を広げることができますよ。それでは一緒にみていきましょう。
目次
アラベスク柄もダマスク柄もイスラム発祥のデザイン
ポーセラーツのデザインとして人気の高いアラベスク柄やダマスク柄は、もともとはイスラム発祥のデザインです。
イスラム文様は、偶像崇拝がタブーとされているイスラム世界で生まれた美しいオリエンタルデザイン。伝統的イスラム文化を美しく神秘的に表現し、ムスクや王宮などの装飾として使用されていました。基本的に「幾何学文様」「植物文様」「文字文様」の3つの文様があり、融合的に発展をとげています。
イスラム文様として特徴的なのが、タイルによる幾何学文様の装飾です。美術と科学を同時に表現し、神が創造した世界が永遠に続いていることを暗示しています。
精緻で複雑、無限を感じることのできるイスラムデザインは、芸術的な装飾として世界各地を駆け巡り、洋の東西を問わず人気のデザインとなりました。東洋では寺院の文様や唐草模様などとして、西洋では壁紙や家具、ファブリックと、様々な場面で使用されています。
「アラビア風の」という意味を持つアラベスク柄
アラベスクという言葉は「アラビアの・アラビア風」のという意味を持つフランス語です。つまり、もともとはヨーロッパの人々がイスラム風のデザインを指す言葉として使っていたのですね。
アラベスク柄はルネサンスを経て西洋に爆発的に広がりました。流行に敏感な貴族たちがこぞって邸宅のインテリアに採用。ファブリックや金属、木材にいたるまで、さまざまな装飾に広く使われることになったのです。
このことからも、アラベスク柄は汎用性の高い優秀なデザインだということがわかりますね。
偶像崇拝禁止から生まれたアラベスク柄ですが、西洋ではヨーロッパ芸術と融合され、人物像や空想動物と組み合わせられるなどのデザイン的な広がりをみせています。
くるくると連なっていく植物紋様が特徴的
アラベスク柄は、つるが巻かれた植物がくるくると無限に連なっているデザインが特徴的。植物の他にも、幾何学模様やアラビア文字、星などが絡み合い、反復してデザインを形成します。
曲線を描いて繋がり続けるつた、それに連なる葉や花、幾何学模様…小ぶりなモチーフを1つ1つ合わせたデザインは、緻密にして繊細、そして優美さを兼ね備えています。
ポーセラーツで作るアラベスク柄の作品
つたのなめらかな曲線が優雅で、加えるだけでエレガントな印象にできるアラベスク柄。ポーセラーツでもさまざまなアイテムに使用されています。
どのようなアイテムに合うのか、どんな色が人気なのか押さえておきましょう。
カップ＆ソーサにアラベスク柄は、鉄板ともいえる絶対的な相性を持つ組み合わせです。こちらの作品は、ソーサの上3/4にアラベスク柄の転写紙を貼り、下部に白磁を残してバランスよくデザインされています。
アラベスク柄は、そのままでもエレガントなデザインですが、金彩を加えることでより高級感のある仕上がりになりますね。カップ内部のアクセントも素敵です。
アラベスク柄とストライプを組み合わせたツール入れです。かわいいリボンがデザインの切り替えとして効いていますね。アラベスク柄とストライプの愛称は意外にもよく、ポーセラーツではよく組み合わせられているデザインです。レパートリーの1つとして覚えておくと便利ですよ♪
アラベスク柄の転写紙はさまざまなカラーが展開されていますが、こちらの作品グレージュ色はエレガントながらもシックな仕上がりにしてくれるので、インテリアに馴染みがよく扱いやすいカラーです。
アラベスク柄でデザインされた高級感のあるフリーカップです。こちらもグレージュの転写紙が使用されていますね。グレージュのアラベスク柄の人気の程がうかがえます。
カップの縁の金彩も波状に縁取りを施し、優美な雰囲気を纏う作品へと仕上げられています。
こちらは、旧インストラクター課題の20cmプレートの作品ですが、中央にアラベスク柄でイニシャルがデザインされています。アラベスク柄はつたのようなデザインになっているので、転写紙を切り貼りすると、このようなエレガントなイニシャルを作り上げることができるのですね。
アイディア次第で作品をワンランクアップさせることができそうですね♪
織物から生まれたダマスク柄
貴族のような邸宅の壁紙、ソファのファブリックといえば、まっ先にこのダマスク柄をイメージされる方が多いのではないでしょうか。壁紙などのテキスタイルに使われる、ヨーロッパのインテイリアの定番といえる模様です。
ダマスク柄は、シリアのダマスク地方で作られていたダマスク織という織物の文様がモチーフとされています。ダマスクは中世初期の大貿易都市だったそうで、ここからヨーロッパ各地に広まっていったと考えられています。
ダマスク柄という名称が定着したのは14世紀ごろのフランスで、後にイタリアなどでも生産されるようになりました。
ダマスク織は、日本でも「緞子（どんす）」いう名称で高級織物として扱われていたそうですよ。
エキゾチックでエレガントな大胆なデザインが特徴的
一般的に幾何学模様や植物などのモチーフを中央に配置し、それを取り囲むように植物や花があしらわれ、幾重にも続いていく特徴を持ちます。
エキゾチックながらも上品でエレガント。浮き出るような視覚的効果もあるため、豪華さも醸し出すことができるデザインです。
ポーセラーツで作るダマスク柄の作品
ダマスクはヨーロッパ調のトラッドな仕上がりにするには最適のデザインです♪さまざまなアイテムに活用することができますので、ぜひあなたの作品にも取り入れてみてはいかがでしょう。
こちらはグレージュの無地転写紙と、ダマスク柄の転写紙で作成されたお重です。高級感を醸し出しながらもシックにまとめられているので、様々なシーンで重宝しそうです。お菓子などを詰めてもおしゃれに使用できそうですね。
グラスにダマスク転写紙を使って上品に仕上げられた作品です。ダマスク柄は人気のデザインですから、ガラス用転写紙も展開されていますよ♪
飲み物に使用するのはもちろん、小物入れとしても活用できそうです。
ダマスク柄なら定番のスクエアプレートもご覧のように、豪華で上品に仕上げることが出来ます。こちらは体験レッスンで生徒さんが作られた作品だそうですが、初めてでも、こんなに素敵な作品ができあがるのですね♪
このほか、モロッカン柄についてはこちらの記事で特集しています。
⇒『ポーセラーツでゼリージュ！モロッカンスタイルが織り成す魅惑の世界』
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