さて、ここまでインストラクターコースを受講されてきた皆さん、お疲れさまでした!
いよいよ卒業間近となってきましたね。
ここまでのカリキュラム課題をこなす中で、ポーセラーツインストラクターとして必要な技法はすべてマスターしました。ここからの自由制作と卒業制作は、これまで学んだ技術の集大成となります。インストラクターコースの締めくくりにふさわしい作品を制作しましょう。
本来、自由制作と卒業制作の2つは全く別の課題なのですが、セット作品のようにデザインし制作される方も多くいらっしゃるのです。
その理由は、のちのちテーブルウェアとしてお使いになる状況を考えてという場合もありますし、ご自身のサロンの顔になる作品にしたい!という方もいらっしゃるからなのです。
今回は、セットでのデザインをされたい方にも、そうでない方にも、参考にしていただきやすそうな作品を集めてみましたので、ひとつずつじっくりとご覧ください☆
目次
自由制作デザイン|2度の焼成でグレードアップ
自由制作の条件は2度の焼成を必要とするデザインであることです。
1回の焼成で済むことを2回に分けるのはいけません。しかし、使う技法は定められていませんし、白磁の指定もありませんので、本当に自由度の高い課題なのです。
また、これまでに作成したお気に入りのカリキュラム作品に、金彩やペンワークなどで加飾される方もたくさんいらっしゃいます。逆に、ペンワーク課題のプレートに、このタイミングで彩色を施す方も。お好みの方法で計画を立ててみてはいかがでしょう。
そして、新たに自由制作の作品を作る場合に多いのが、卒業制作とのセット作品。
用途を揃えて2作品を一緒に使えるようにしたり、デザインテイストを揃えて同じテーブルで使っても違和感のない作品を狙ったりと、さまざまです。
こだわりのカトラリーで自由制作
始めにご紹介するのはこちら。自由制作としては珍しくカトラリー作品の登場です。
卒業制作で作ろうとしているティーセットを想像しながら、似合うスプーン&フォークを作るというのは素敵なアイデアですよね。
カトラリーの小さな白磁には、カラフルな色盛りと金盛りを。写真でもぷっくりと盛り上がっている様子を見ることができますね。また、白磁中央にはゴールドでイニシャルが入っていますが、これは手描きによるものだそう。ここまでに培った技術が活きる場面ですね☆
メタリックゴールド輝く自由制作
レース模様のリムが美しいこちらのプレート作品。メタリックゴールドの彩色が目を引きます。
中央にあしらわれたお花の転写紙の上からは、金液を使った手描き装飾をほどこしてあり、課題の条件もバッチリクリア。卒業制作の作品に合わせて、あえてシンプルなデザインをされたということです。
そして、この写真は、卒業制作の作品とセットにした様子です。真上から見ると、お皿の直径や色味、レース模様など、どれもがカップ&ソーサーとしっくりくるように計算されているのが分かりますね♪
ピッタリと同じデザインにするのではなく、組み合わせた時に美しいバランスを探して制作するというのも、高度な楽しみです。
トータルコーディネートされた自由制作
プレート2枚とシュガーポット、シュガースプーンという豪華な自由制作です。
こちらは卒業制作の作品とお揃いデザインで作られた作品。むしろ、9点のアイテムからなるセット作品のうち4点を自由制作で作ったと言う方が正しいかもしれませんね。
シュガーポットにはスプーンもしっかり付属しており、細部に至るまで装飾も完璧ですよ。
そしてこちらが卒業制作のカップ&ソーサー2客やティーポットと一緒に並べたお写真。こうしてみると壮観ですよね!
卒業制作のティーポット側面に大きく配置されたお花と同じものが、自由制作のプレートにもあしらわれており、一層強くセット感を醸し出しています♪
卒業制作のデザイン|記念すべき作品に☆
ポーセラーツインストラクターカリキュラムの最後の課題がこの卒業制作です。
卒業制作というだけあって、この課題には特にたくさんの時間とエネルギーを費やす方が多いのも事実。指定された数種類の白磁の中からお好きなものを選び、皆さんが思い思いに、卒業にふさわしい作品を作っていらっしゃいます。
この作品に課されているのは「3度の焼成を必要とするデザイン」という条件。
転写紙や上絵の具、ペンワークや盛り、金彩まで、あらゆる技法を使って、ご自身が表現したい美しさを作品にたっぷり込めましょう☆
こだわりカラーの卒業制作
こっくりとした存在感あるイエローが決め手の、豪華なティーセットです。
卒業制作に必須のアイテムである、ポットとカップ&ソーサーは今回作られましたが、他のアイテムはすべて自由制作の作品として作成。カップ&ソーサーとケーキプレートは、重ねた時の美しさにも最大限の配慮がなされています。
特に、ティーポットには、転写紙の絵柄を生かすべく丁寧なマスキングを。スポンジングされたイエローの絵の具も、むらなくきれいな発色に仕上がっていますね。そして、手描きの金彩はオリジナルのデザインを考えられたそう!こだわりが細部まで感じられる作品です。
実は、この作品の制作に取り掛かる前に、どんなイエローにしようかとカラーサンプルを作られたとのこと。
こちらがその、カラーサンプルです。
実際に自由制作と卒業制作には、このサンプルよりももう一段階深いカラーを採用されたそうですが、このカラーサンプルも、サンプルのために作られたとは思えない素敵な仕上がり。
点数の多いスペシャルな作品を作るときには、こういった小さなアイテムでイメージを固めてから制作に取り掛かるという方法もありますね。
繊細さが魅力の卒業制作
こちらの卒業制作も、点数の多い高級感あふれるセットです。
淡い紫と、繊細なブルーフラワージュエリー転写紙の組み合わせが楚々とした印象を醸し出しています。また、この転写紙はキラキラ感も特徴!金彩や盛りとの相性もピッタリです。
オプションアイテムとして制作された25cmプレートは、シンプル&エレガントなデザインに。
細かなリムの模様にプラスされた盛りが、存在感を放っています。
シュガーポットのフタにも、小さな盛りをいくつも加飾。複数のアイテムにリンクするような装飾を施すことによって、お揃い感をアップさせることができます。
クールな表情の卒業制作
ゴールドを用いた作品が多く見られる卒業制作のなかで、ひときわクールな印象を与える、プラチナカラーの作品です。ブルークレールの単色転写紙とシャンパンシルバー&プラチナの組み合わせが素敵です☆
自由制作で作られたプレートも、同じ転写紙が使われています。リムの周りは、プラチナマーカーでくっきりと縁取られており、カップやティーポットのデザインと印象が揃えられていますね。
アンティーク&リュクスな卒業制作
こちらは、ラスター課題参考デザインの記事でご紹介した生徒さんの卒業制作です。
マリーアントワネットが大好きなだけあって、クラシックでデコラティブな作品がお得意ですが、このデミタスカップの制作にあたっては、金液も盛り剤も追加で購入されたとのこと。ここまでふんだんな加飾をされるからには、思う存分ゴージャスに仕上げたいですね!
ご自身の「好き」を究めた作品に、120%のエネルギーを注げるという幸せ。この卒業制作を通じて、そんな幸せをぜひ味わってみてください!
華やかな和風の卒業制作
今回最後にご紹介するのは、きりっとしたたたずまいを見せる和の作品です。
スクエアモダンポットと、スタイリッシュカップ&ソーサーという組み合わせの白磁に、ゴールドとブルーのコンビネーションが映えていますね。ブルーの転写紙は数色を組み合わせてレイアウトされ、単一色でのデザインとは違った深みを感じます。
この写真では見えづらいのですが、ソーサーには細いチェーンのような加飾が。そのほか、あらゆる個所に盛りや金彩が施され、和風かつ華やかなデザインに仕上げられました。
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今回は、自由制作と卒業制作のデザインをご紹介しました。デザインや技法に縛りがない分、迷いも多くなりがちなこの2作品。カリキュラム作品作りの参考になればと思います。
オープンしたばかりのサロンに飾られる作品は、ご自身の作品ばかりですよね。このサロンはこんな作風の先生がいるサロンなんだ!と、生徒さんたちに分かりやすい作品を並べることで、サロンのカラーを印象付けることができます。
技法に指定のない自由制作と卒業制作は、ご自身の好みが大いに反映された作品が出来上がるもの。得意な技法を使って、自分のテクニックの「良さ」を存分にアピールしましょう。
デザイン集記事の一覧ページはこちら
>>>『【デザイン集】ポーセラーツインストラクター課題(目次)』
ポーセラーツインストラクターに関して、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
是非ご参考になさってくださいね♪