最近ではネットで検索をすると、磁器用転写紙がたくさん販売されていますね。
教室にテクニックアップコース(私の教室では、スキルアップとは言いません)で通って下さる、インストラクターの方々から良く耳にするのが
・ 転写紙を沢山買って、教室に用意をしておかなければいけませんか?
・ 先生はどちらの転写紙を買っていますか?
このご質問には少し困ってしまいます。
教室用として特には転写紙のストックはしていません。
もちろん、転写紙はたくさん持っていますが、あくまでも自分で作品を作ろうとして購入した物です。私が気に入った転写紙が少し余分にある程度です。
生徒の皆さんには、私が使いかけた転写を使って頂く事もありますし、ヴォーグ社さんのカタログをご覧になられて、ご希望があれば注文させて頂いています。
転写紙を買って頂く事からの収入にはつながりませんが、私がネットなどで転写紙を探している時間が無い事、そして 転写紙を全面貼りするだけでなく インストラクターカリキュラムで言うなら【分解構成】、雑な表現をすると『切り刻んで、組み合わせる』これを身に付けてしまうと、転写紙シートを何時間もかけて探したり、在庫を沢山用意する必要を感じません。
在庫しない事は、時間の短縮と共に経費の削減にも繋がるので一石二鳥になっています。
転写紙を組み合わせて作り上げる作品は、オリジナルデザインに必ず仕上がりますので、生徒さんにも大変喜んで頂けます。
とは言っても、転写紙を切り刻んで ただ並べただけでは素敵にはなりませんね。
私のレッスンはこんな感じに進めます。
特に、自由に作る事を楽しんで頂くフリークラスや体験会の方々には、白磁器を幾つか選んで頂いた後に私の使いかけの転写紙ファイルの中から「好き」「これ何だか気になる」転写紙を幾つでも取り出して頂きます。
そして、その中から絶対これは使いたいものをピックアップして白磁器と見比べながら絞り込んで頂きます。この当たりまで、私はあまり口を挟みません。
お茶をお入れしながら、出来上がった物はどなたが使われるのか、またエレガントがお好きかしら、それともスタイリッシュがお好きですか?金彩やレリーフ、色のお好みは・・・・などなどをお聞きしていきます。
お喋りしながら、私は頭の中でデザインなどを考えます。其々の転写紙を単独で置くのではなく、繋がりを持たせ、デザインの流れを作る事が大切です。新たにどの転写紙を加えれば更に良くなるのか、転写紙をどの様に切って組み合わせれば良いのかまでを含めてご提案します。
これが、鎌倉山Natural Tone でしか味わって頂けない、オリジナルを作り上げるレッスンです。
ポーセラーツの転写紙と私が出会った時「デザインレイアウトの良い勉強になるなぁ~」と感じた気持ちは今も変りません。作品作りや日々のレッスンの度に、いろいろと考えて一つ一つ作り上げる。
この繰り返しは、私のデザインの引き出しをどんどん一杯にしてくれます。
見本通りに作る事を繰り返していては身に付かない力です。
私の教室には、オリジナル作品の白磁ペイント、チャイナペイント、ポーセラーツとたくさん飾ってあります。生徒の皆さんは展示作品をご覧になられますが、それらはの殆どがお見本ではなく参考作品になります。
テクニックの一部分を使って作品を仕上げたり、どうしても同じ作品が作りたい場合でもご自身の好きな色味で作れるようにご指導しています。
「こんな自由な教室はないですよ~」そんな言葉を生徒の皆さんから頂戴します。
人の好みは千差万別で、それぞれの家のカーテンの色、壁やカーペットの色や柄も違うはずです。「作品を作った事が楽しかった」では無く、大切に使い続けて頂けるために、そして遠く鎌倉まで来てよかったと思って頂けるように、私は毎回のレッスンに全力投球させて頂いていまいす。
少し特殊なレッスンですが皆様のヒントの一つになれたら幸いです。