第5回「私の宝物は、自分の心の中の引き出しです」 

今回テーマにさせて頂くのは、「自分の心の中の引き出し」です。

エッ・・・、心の中に引き出しなんて無いじゃない。
そう思われる方がいらしたら先ずはお茶を一杯入れてホッと一息ついてからこちらのコラムを読んでみて下さい。
私がオリジナルデザインで作品を作る時、そして日々レッスンで生徒の皆様にお教えする時。この心の中の引き出しは、開けたり閉めたりを繰り返します。最近では中身が一杯になって押し込んでも閉まらない事の方が多いようです。

この様に説明すると少し解り易いですね。そう、私の宝物の「心の中の引き出し」は、アイディアの玉手箱のようなものです。
アイディアと単純に言ってしまうと、「そんなの簡単。スマートホンで検索すれば沢山のポーセラーツ作品を見られるからその中から見つければいいじゃない。」と言われてしまいそうですが、私の引き出しは検索キーワードで探せる程単純ではなく、単純でない代わりに最近ではとても便利に進化してくれています。

頭の中に思い浮かべたキーワードと共に勝手に色々なデザインが溢れ出して来てくれる便利物に成長してくれました。玉手箱とも魔法の小箱とも言えそうですね。

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ところで、「心の中の引き出し」を溢れる程一杯にするにはどうすれば良いのでしょう。

多分ポセナビさんの読者の皆様の年齢よりも、私は年長者だと思います。
そして、ポーセラーツを始めとしたクラフトに関する経験も年齢と共に豊富になっている事でしょう。
そんな私の今までに作って来た殆どの物をオリジナルデザインで作り上げてきた経験が、心の引き出しの土台になっています。

そうです、「積み重ねていく経験値」これに勝るものはありません。ただし、真似や模倣ではだめです。あくまでも、自分で考えながら制作したものの経験値です。そして色々な物を見る事、そこから何かを感じる事が大切です。

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ポーセラーツの作品を作りたいからと言って、ポーセラーツの作品だけを見ていては、真似や模倣になってしまいますね。

そうでは無く、街を歩きお店に立ち寄り色々な物を手に取って感じる、また美術館へ行く、本や雑誌を眺めるなど色々な物を見て下さい。そして心動かされる物をしっかりと感じとって下さい。
自分は何が本当に好きなのか、其のことに気付く事が大切な様に思います。色、形、デザイン。ご自身の好きを大切に作品作りをする事は、私自身の作品作りの他、教室での生徒の皆様へのご指導の中でも一番大切にしている事です。

ポーセラーツの作品がどれも似たようなデザインになってしまいがちな昨今、少しでも自分らしい作品を作ってみたいと思われている方々には、心の中の引き出しに沢山の物を詰め込む事をお薦めします。


■コラム執筆者のプロフィール

神奈川・鎌倉市でポーセラーツサロン「鎌倉山 Natural Tone」を主宰。
チャイナペイント、白磁ペイント、トールペイントの資格も取れる教室として、転写紙と上絵の具両方の技術をしっかりと学べるサロン。
生徒様ご自身の「自分らしく」「ご自身の好きを大切に」個性を伸ばす事に拘りながら 技術と知識、そして他のマネではない作品が出来上がるようご指導している。
日本橋生まれの気さくな江戸っ子気質のまま、「何度でも解らない事は尋ねられる」「時間を気にせず作品を作れる定額制」のレッスンを開催している。

2007年 ポーセラーツコンクール優秀賞 ・ ペイントクラフト賞 技術賞
2008年 ペイントクラフト賞 NVサンアート賞
2009年 ポーセラーツコンクール 手描き部門 大賞
2013年 キルンアートコンクール 転写紙部門佳作・手描き部門NVサンアート賞  他数受賞
白磁ペイントカリキュラム委員本部講師 、 キルンアートオンライン講座担当 など 日本ヴォーグ社テキスト、カタログ等掲載作品多数
2016年 大倉陶園 チャイナペインティングスクール卒業

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