上絵の具を使う課題も回数を重ね、だんだんと技術が自分のものになって来たという実感を持たれている方も多いのではないでしょうか?
上絵の具色見本から、タイル、ふたもの……と課題を進める中で身につけて来た、マスキングテープ、マスキングシート、ステンシル、スクラッチの技法を盛り込んで制作する今回の「耳付きトレー」で、しっかりとテクニックを使いこなせるようにしましょう!
そしてこの耳付きトレー、サイズや形が実は使い勝手がいいと評判のアイテム。実際に使用するシーンを想定してデザインするのもいいですね!
では今回も、皆さんの個性あふれる耳付きトレーを見てみましょう♪
目次
耳付きトレーのデザイン|技法の活用の仕方に注目
皆さんが作られた耳付きトレーの課題作品を見てみると、そのバリエーションの多さに驚かれることと思います。
しかしそれぞれのデザインの中には必ず指定の技法が用いられていますから、どの部分にどの技法が使われているか、注目していただきたいと思います!
また、それぞれの技法の違いをどんな風に生かすと効果的かということも、同時に考えながらご覧になるといいですね。
シンプルベーシックな耳付きトレー
こちらは、使用しなければならない技法をクリアした、オーソドックスなマカロンデザインの作品です。
このオーソドックスなデザインの良いところは、それぞれの技法についてごまかしがきかないというところ!
平行な直線、同じ大きさのドット、同じ形のマカロン……ミスがあればすぐに分かってしまうデザインですから、これをキレイに仕上げられるというのは確かな技術あってこそ。この課題で使われているテクニックを確実にマスターできているという証拠になります。
ブルーが響き合う耳付きトレー
リムのストライプ、水玉、魚のボディーと、3色の異なる青のコンビネーションで海の深みが表現されているこちらのトレーは、シチリア島をイメージした作品です。
リムに配置されたレモンは、丸ごとのレモンと輪切りのレモンで変化を持たせ、お魚の横には手書きで文字を。ところどころに工夫の見られるデザインですね。
この作品のように、マスキングテープを使った場所が明らかに分かるような直線デザインをしっかり採り入れるのも大事なことです。
クリスマスデザインの耳付きトレー
定番のクリスマスアイテムを散りばめたデザインで、安心感のある作品です。
リムのカーブしている面にはしなやかな曲線が映えていますね。
ステンシル部分は、しっかりスポンジングされた濃い色味で、スクラッチされたラインがはっきりと見えますね。
絵の具の濃さなど細かい部分に気を配ってこそ実現する、美しいスクラッチです。
手描きリムが秀逸な耳付きトレー
ステンシルで入れられたシンプルなローズモチーフが際立つトレーですね。色数を抑えたデザインで、アクセントのレッドが目を引きます。
また、この作品の注目ポイントは、なんといってもリムの手描きリアルツイード!
写真ではそのリアルさが伝わりにくいのが残念ですが、リアルツイードは表面のテクスチャーも含めて本物らしさが素晴らしいと評判の技法。インストラクター資格を得た後でも遅くはありませんが、是非習得したいテクニックのひとつです。
カットワークが見事な耳付きトレー
モノトーンのシルエットでパリの街並みを表現した、シンプルでモダンなデザインの耳付きトレーです。
このシルエットは、アートナイフで丁寧に根気よく切り出した努力のたまもの♪
その分、思い通りに仕上がった時の達成感はなにものにも代えがたいですね。
もちろん、スクラッチもはっきりキレイ!
色数が少ないだけに形にごまかしがきかない、ちょっぴりストイックなデザインですね。
ステンシルとマスキングが効果的な耳付きトレー
珊瑚柄の赤と白が反転したデザインの耳付きトレーは、マスキングとステンシルの違いをストレートに反映させたデザインです。
白抜きと赤では珊瑚の太さを微妙に変えて色による強さの違いをコントロール、出来上がったときの印象が整うように計算されています。
そして、この作品のように鮮やかな赤を発色させるためには……「2版のふたもの」でもご紹介しましたが、赤の上絵の具を美しく発色させるために必要な条件がありましたね。
焼成温度による版分けにも気を配ってデザインしてみましょう!
縦位置の構図が美しい耳付きトレー
教室にあった絵本を参考にしてデザインを決められたというこちらの耳付きトレー。
繊細な花のイラストが美しいですね。まるで、窓の向こうに急に春が来たような高揚感を感じます。
リムの転写紙は丸くカットされており、それを避けるように着彩された花々は伸びやかに生命感がたっぷり!空間に舞う蝶もイエロー系で統一されて爽やかです。
アクセントのオレンジ色が映えていますね。
関連記事はこちらです
マスキングテープ、マスキングシート、ステンシルを使い、スポンジングで着彩した上にスクラッチをほどこす……どの技法もこれまでに学んだものですから、この「耳付きトレー」は、その技法をしっかりと自分のものにするための実践課題と考えるといいでしょう。
自分の実現したいデザインと特定の技法の相性や、版分けの段取り、そういったことを計画段階からシミュレーションできるように心がけ、作品作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
デザイン集記事の一覧ページはこちら
>>>『【デザイン集】ポーセラーツインストラクター課題(目次)』
ポーセラーツインストラクターに関して、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
是非ご参考になさってくださいね♪